神郡 (つくば市)

茨城県つくば市神郡の歴史と文化

神郡（かんごおり）は、茨城県つくば市の北部に位置する、筑波山麓の集落です。古くからの家並みが残り、豊かな自然と歴史が調和した地域です。

地理

神郡は、筑波研究学園都市の東側に位置し、茨城県道139号筑波山公園線（つくば道）沿いに集落が形成されています。西側は桜川へと続く沖積平野で、田畑が広がっています。東側は筑波山に連なる山地となっており、古鬼怒川が流路を変えて以降、地形はほとんど変化していないと考えられています。かつては粘土の産地として瓦の製造が盛んでした。

山と川

山: 蚕影山、神郡山
川: 逆川（鴨井川・酒香川）

隣接地域

北：つくば市筑波、臼井
東：石岡市小幡
南：つくば市平沢、北条、漆所
西：つくば市杉木、大貫

学区

小中学校は、秀峰筑波義務教育学校の学区となります。

地価

2017年の公示地価では、神郡字上町で1平方メートルあたり9,610円となっています。

歴史

古代

神郡には、縄文時代の神郡遺跡や、土師器・須恵器が出土した宮の前遺跡があります。また、西部の耕地には古代の条里制の遺構が残り、小字名にもその名残が見られます。この条里遺構は神郡条里遺跡と呼ばれ、発掘調査も行われました。

中世

中世には、神郡村の普門寺が小田氏の庇護を受け、村も小田氏の支配下に入った時期がありました。

江戸時代

江戸時代は神郡村として常陸国筑波郡に属し、佐竹氏領から天領、浅野氏領、そして旗本井上氏の知行地へと変遷しました。井上氏は神郡に陣屋を設け、支配の拠点としました。陣屋には代官が置かれましたが、実質的には名主の飯田氏がその役割を担いました。その後、名主罷免運動を経て、石井氏が村政を担うようになりました。

寛永年間には、北条から筑波山へ至る参道（つくば道）が整備され、宿場町が形成されました。普門寺は田舎談林として発展し、多くの門徒寺を持ちました。元治元年には天狗党の乱で、天狗党の部隊が駐屯するなど、歴史の舞台にもなりました。

明治時代

明治2年には、新県の県庁所在地候補に神郡村が挙がりましたが、結局若森村に置かれました。1889年の町村制施行により、田井村の中心となり、村役場、駐在所、小学校、郵便局が置かれました。

現代

21世紀に入り、まちづくり活動が活発化しており、住民だけでなく筑波大学やNPO法人も参加しています。NPO法人自然生クラブが田井ミュージアムを開設し、筑波山の自然に関する書籍の調査も行われました。また、田井の里の秋祭りや、里山の間伐、ヤマザクラの植樹などの活動も行われています。

沿革

1889年：町村制施行により田井村大字神郡となる。
1955年：田井村が筑波町、北条町、小田村と合併し、筑波町大字神郡となる。
1988年：筑波町がつが市と合併し、つくば市大字神郡となる。
2002年：住所より「大字」表記が撤廃され、つくば市神郡となる。

地名の由来

地名の由来には2つの説があります。

筑波山神社の神郡であった説
筑波郡衙の上方、上郡（かみごおり）であった説

交通

公共交通

つくタク

道路

茨城県道14号筑西つくば線
茨城県道139号筑波山公園線（つくば道）
茨城県道236号筑波公園永井線（表筑波スカイライン）
茨城県道501号桜川土浦自転車道線（つくばりんりんロード）

主要施設

筑波学校給食センター
つくば田井郵便局
つくばねカントリークラブ
* 筑波国際カントリークラブ（一部）

寺社

普門寺

真言宗豊山派の仏教寺院で、中世から近世にかけて田舎談林として発展しました。境内には本堂、客殿、鐘楼などがあり、「石造九重層塔」は茨城県指定有形文化財です。

蚕影神社

養蚕の神を祀る神社で、養蚕業者の信仰を集めました。鳥居の前には湧水があり、それぞれ「蚕影山湧水の滝」「蚕影山自然湧水」と呼ばれています。

神郡は、豊かな自然と歴史、そして現代的な活動が融合する魅力的な地域です。その歴史と文化を深く知ることで、神郡の魅力をより一層感じることができるでしょう。

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