福厳寺 (柳川市)

福厳寺（ふくごんじ）

福岡県柳川市奥州町に位置する福厳寺は、黄檗宗の寺院であり、山号を梅岳山と称します。この寺は、江戸時代に柳川藩主であった立花家の菩提寺として、重要な役割を果たしました。寺の等級は別格であり、寺格は開堂地とされています。本尊は釈迦如来です。

歴史

福厳寺の起源は、立花氏が柳川に移転した際に、それまであった梅岳寺が移り、改名・改宗したことに遡ります。元々は花谷山神宮寺、梅岳寺孝養院という名称でしたが、黄檗宗に改宗する際に福厳寺と改められました。

『大日本寺院総覧』によれば、福厳寺は延宝2年（1674年）に立花忠茂が再興し、鉄文和尚を開山として創建されたとされています。しかし、『日本歴史地名大系41』では、戸次鑑連が梅岳寺孝養院と改名させた時点を創建としています。

さらに遡ると、元中2年（1385年）に花谷山神宮寺として立花村に創建され、天正3年（1575年）に立花氏の養孝院が埋葬された際に、立花山養孝院と改称されました。開基は戸次鑑連、開山は医王寺の緒庵禅師です。その後、立花宗茂が柳川に転封するのに伴い、柳河に移り福厳寺と改称しました。立花村の旧跡には、後に黒田綱政の正室である心空院が再建した梅岳寺が現存しています。当初、この寺は曹洞宗の寺院でしたが、天正15年（1587年）に柳川に移転しました。

関ヶ原の戦いで立花氏が改易された後、福厳寺は一時的に破却され、田中吉政の家臣の屋敷となりました。しかし、田中氏が無嗣断絶で改易された後、元和6年（1620年）に立花宗茂が柳川藩に復帰すると、福厳寺は再建され、立花家の菩提寺として再びその役割を担うようになりました。現在も、宗茂と正室・立花誾千代の墓が境内にあります。

万治3年（1660年）の記録には、「高百石 下棚町村 梅岳寺」とあり、この梅岳寺が後の福厳寺であることが示されています。

黄檗宗への改宗

寛文9年（1669年）、藩主立花忠茂は黄檗宗の本山である萬福寺の2世住持・木庵性瑫の法弟である鉄文道智を招き、福厳寺を曹洞宗から黄檗宗へと改宗させました。これにより、福厳寺は正式に梅岳山福厳寺と改称され、以降、柳川藩主家立花氏の菩提寺として、代々の藩主や一族が埋葬される寺院となりました。

延宝2年（1674年）に黄檗宗として正式に開山されました。また、『延宝九年酉年知行取無足扶持方共』（1681年）には、「高百石御合力米七十九石二斗 福厳寺」とあり、「南筑明覧」には寺領300石と記録されています。

主な著名人の墓

福厳寺には、以下の著名人の墓があります。

長谷健（作家）
檀一雄（作家）

交通アクセス

西鉄天神大牟田線西鉄柳川駅より堀川バス「布橋」バス停下車

参考文献

大日本寺院総覧
日本歴史地名大系41
忠茂公御代之分限帳
延宝九年酉年知行取無足扶持方共
南筑明覧

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