福士則夫

福士則夫（ふくし のりお、1945年2月15日 - ）は、日本の現代音楽を牽引する作曲家です。東京藝術大学の非常勤講師、桐朋学園大学の特任教授、そして東京音楽大学の客員教授（2010年度）を歴任し、後進の育成にも力を注いでいます。日本作曲家協議会の会員でもあります。

略歴

東京都で生まれた福士氏は、東京藝術大学を卒業、同大学院を修了しました。作曲を池内友次郎、矢代秋雄、諸井誠、三善晃といった著名な作曲家に師事し、その才能を開花させました。1973年にはフランス政府給費生としてパリ国立音楽院に留学し、オリヴィエ・メシアンの指導を受け、更なる研鑽を積みました。

福士氏の作品は、国内外で高く評価されており、『三管オーケストラのための《抒情的二章》』は第39回日本音楽コンクール作曲部門で入賞を果たしました。また、『弦楽、フルート、打楽器のための《ZONE》』は1972年度文化庁芸術祭優秀賞を受賞しました。さらに、現代音楽の演奏団体「ヴァン・ドリアン」の結成と活動により、中島現代音楽賞（1983年）を受賞しました。ソロ・パーカッションのための『グラウンドI』は、ミュンヘン国際音楽コンクールやジュネーヴ国際音楽コンクールで課題曲に指定されるなど、国際的にもその才能が認められています。

教育者としても、東京純心女子大学教授、国立音楽大学教授を歴任し、日本[[現代音楽協会]]（ISCM国際現代音楽協会日本支部）の会長を務めるなど、日本の現代音楽の発展に大きく貢献しました。

主な作品

管弦楽作品

オーケストラのための「抒情的二章」(1970年)
打楽器とオーケストラのための「クロモスフェール」(1984年)
2台ピアノとオーケストラのための「星々の降りそそぐ秋（とき）へ」(1992年)

室内楽・器楽作品

ピアノのための「5つの断片」(1967年)
7人の奏者と2人の登場人物のための「感応」(1971年)
弦楽・フルート・打楽器のための「ZONE」(1972年)
3つのマリンバのための「レゾナンス1」(1972年)
2つのギター、ダブルベースのための「レゾナンス3」(1975年)
ソロ・パーカッションのための「グラウンド」(1976年)
三つの箏、打楽器のための「レゾナンス2」(1976年)
ピアノとヴィブラフォンのための「シリカ」(1977年)
ヴァイオリン、フルート、クラリネットと打楽器のための「ミカ1」(1979年)
独奏箏のための「亀」(1982年)

合唱作品

混声合唱のための「山人の歌」(1971年)
混声合唱のための「語彙集」(1980年)
混声合唱のための「遠い人々」(1983年)
混声合唱曲集「陽の扉」(1984年)
混声合唱組曲「愛のグラマトロジー」(1992年)
混声合唱、尺八、二つの箏、十七絃と打楽器のための「大原御幸」(1994年)

録音

『福士則夫作品集 星々の降りそそぐ秋へ』(現代日本の作曲家シリーズ28) フォンテック 2005年。(十束尚宏指揮)
『福士則夫作品集』(株)カメラータ・トウキョウ 2007年。(尾高忠明指揮)

外部リンク

BCA - 福士則夫
* 日本[[現代音楽協会]](http://www.jscm.net/modules/wordpress/index.php?p=8)

これらの作品は、福士氏の創造性と音楽に対する深い洞察力を示しており、現代音楽の重要なレパートリーとして、国内外で広く演奏されています。

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