福島九成

福島九成（ふくしま きゅうせい / くせい）

福島九成は、1842年（天保13年）に佐賀藩の漢学者・福島文蔵の長男として生まれました。幼名は栄助、後に礼助とも称しました。彼は、藩校である弘道館や長崎の致遠館で学び、学問に励みました。戊辰戦争では、前山清一郎の従僕として参戦し、奥羽各地を転戦。参謀添役として活躍しました。

軍人、外交官としての活躍

戊辰戦争後、明治2年（1869年）に佐賀藩庁に出仕し、大弁務として軍事部門を担当しました。明治4年（1871年）には清国への留学を命じられ、1873年に帰国。その後、陸軍少佐に任官し、熊本鎮台に勤務しました。1874年には台湾蕃地事務都督参謀に転じ、さらに廈門領事を兼務。台湾出兵の収拾のため、全権弁理大臣・大久保利通のもとで清国政府との交渉に尽力しました。廈門領事専任となった後、1880年に領事館が廃止となり免官となりました。

内務官僚、青森県令としての活動

免官後、大蔵少書記官を経て、1881年に内務少書記官に転任しました。1882年には内務権大書記官となり、1883年には青森県令に就任。地方行政の経験は浅かったものの、古荘嘉門大書記官の補佐を受け、県政を推進しました。1886年に県令を非職となり、1889年に退官。その後、実業界へと転身しました。

晩年と栄典

福島九成は、1914年（大正3年）9月12日に生涯を閉じました。彼の功績は、以下の栄典・授章によって称えられています。

位階
1884年（明治17年）2月9日 - 従五位
1889年（明治22年）8月6日 - 正五位

勲章等
1889年（明治22年）11月29日 - 大日本帝国憲法発布記念章


福島九成は、幕末から明治という激動の時代において、軍人、外交官、官僚として多岐にわたる分野で活躍し、日本の近代化に貢献した人物と言えるでしょう。

参考資料

歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。
秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。
日本歴史学会編『明治維新人名辞典』吉川弘文館、1981年。
安岡昭男編『幕末維新大人名事典』下巻、新人物往来社、2010年。
修史局編『百官履歴 下巻』日本史籍協会、1928年。
* 「福島九成特旨叙位ノ件」 アジア歴史資料センター Ref.A12090214500 

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