种暠

种暠（ちゅう こう）

种暠（103年 - 163年）は、後漢の政治家で、字は景伯。司徒を務めました。

生涯

種暠は、河南尹洛陽県出身で、周の仲山甫の末裔とされています。父の死後、莫大な財産を親族や貧しい人々に分け与えるという逸話が残っています。洛陽県の門下史からキャリアをスタートさせ、河南尹の田歆にその才能を見出され、孝廉に推挙されました。

順帝の時代には、侍御史として不正を糾弾する任務に当たり、大将軍の梁冀や宦官たちの不正を暴きました。皇太子を監督する役目も務め、中常侍の不当な要求を退け、その沈着冷静な態度が評価されました。

益州刺史としては、異民族との融和に尽力し、多くの部族を漢に服属させました。涼州刺史時代には、民衆からの信頼が厚く、任期満了後も留任を求められるほどでした。その後、漢陽太守、使匈奴中郎将、遼東太守などを歴任し、各地で功績を挙げました。

度遼将軍としては、匈奴の侵攻を防ぎ、異民族を懐柔しました。その後、大司農を経て、司徒に就任し、橋玄や皇甫規といった有能な人材を登用しました。

163年に61歳で亡くなりました。

種暠は、清廉潔白で公正な人物として知られ、その優れた統治能力と異民族との融和政策によって、後漢の安定に貢献しました。

人物

清廉潔白で私欲がなく、民衆のために尽力する姿勢は、多くの人々の尊敬を集めました。
異民族との融和を重視し、武力だけでなく、誠意をもって接することで、信頼関係を築きました。
不正を許さない厳格な姿勢で、汚職官吏を摘発し、政治の腐敗を正そうとしました。

逸話

父の遺産を貧しい人々に分け与えたというエピソードは、種暠の博愛精神を示すものとして知られています。
皇太子を護衛する際、皇帝の命令書なしに現れた中常侍に対し、毅然とした態度で対峙し、太子の安全を守りました。
涼州刺史時代、民衆が種暠の留任を求めて嘆願したというエピソードは、彼の民衆からの信頼の厚さを物語っています。

評価

種暠は、後漢時代の名臣として高く評価されています。彼の清廉潔白な人柄と優れた統治能力は、後世の政治家たちの模範とされました。

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