稚内分屯地

稚内分屯地

稚内分屯地は、北海道稚内市に位置する、陸上自衛隊、海上[[自衛隊]]、航空自衛隊、情報本部が共同で使用する防衛省の施設です。この施設は、陸上自衛隊としては名寄駐屯地の分屯地として運用されています。

概要

この施設内には、海上[[自衛隊]]の陸上施設も併設されており、主要な施設と敷地は航空自衛隊の稚内分屯基地が占めています。各々の自衛隊拠点には、陸上自衛隊は「稚内分屯地」、海上[[自衛隊]]は「稚内基地分遣隊」、航空自衛隊は「稚内分屯基地」という名称が与えられています。この場所は、1954年にアメリカ空軍のレーダーサイトとして始まり、その後、航空自衛隊が展開し、正式に航空自衛隊稚内分屯基地となりました。

稚内分屯基地は、陸・海・空の3つの自衛隊が同一敷地に所在するという、全国でも稀な基地です。陸上自衛隊の普通科部隊や海上[[自衛隊]]の護衛艦群などの実力部隊は配備されておらず、主な任務は通信傍受や宗谷海峡での船舶監視となっています。航空自衛隊の分屯基地内には、共用のヘリポートがあります。

各部隊の指揮官は、陸上自衛隊分屯地司令が第301沿岸監視隊長と兼務の2等陸佐、海上[[自衛隊]]基地分遣隊の隊長が2等海佐、航空自衛隊分屯基地司令が第18警戒隊長と兼務の1等空佐となっています。基地の特性上、航空自衛隊の部隊長が最先任者となるよう配置されています。最寄りの演習場は、鬼志別演習場です。

沿革

アメリカ軍時代

1945年（昭和20年）10月：アメリカ軍が稚内市内に駐屯を開始。
1952年（昭和27年）4月：米軍稚内航空基地隊がノシャップ地区に移設。

航空自衛隊稚内分屯基地

1954年（昭和29年）12月：レーダー運用部隊として航空自衛隊北部航空警戒管制隊第1中隊第2小隊が展開。
1956年（昭和31年）
9月：第1警戒隊第2小隊に改編。
10月15日：第301沿岸監視隊が稚内分屯地に駐屯。

陸上自衛隊名寄駐屯地稚内分屯地・航空自衛隊稚内分屯基地

1956年（昭和31年）
10月25日：名寄駐屯地稚内分屯地が開設。
10月31日：第301沿岸監視隊が稚内分屯地に移駐。
1957年（昭和32年）
北部方面調査隊稚内派遣隊（現北部情報保全隊稚内情報保全派遣隊）が創設。
9月：航空自衛隊第18警戒中隊に改編。
1959年（昭和34年）11月：アメリカ空軍第848航空警戒管制中隊よりレーダー運用が移管。
1960年（昭和35年）1月20日：第382基地通信中隊稚内派遣隊（現第301基地通信中隊稚内派遣隊）が創設。
1961年（昭和36年）
3月25日：旭川地方連絡部稚内分駐所（現旭川地方協力本部稚内地域事務所）が創設。
7月15日：航空自衛隊第18警戒群に改編。
1962年（昭和37年）8月15日：第342会計隊稚内派遣隊が創設。
1972年（昭和47年）6月30日：米軍業務が閉鎖され、航空自衛隊へ所管が移転。

陸上自衛隊名寄駐屯地稚内分屯地・海上[[自衛隊]]稚内基地分遣隊・航空自衛隊稚内分屯基地

1974年（昭和49年）3月16日：海上[[自衛隊]]大湊地方隊稚内基地分遣隊が設置され、海上[[自衛隊]]稚内基地が発足。
1982年（昭和57年）：名寄駐屯地業務隊稚内管理班が創設。
1987年（昭和62年）12月：J/FPS-2レーダーの運用開始。
1991年（平成03年）3月29日：第439会計隊が稚内分屯地で新編。
2000年（平成12年）3月31日：第18警戒隊に改編。
2015年（平成27年）3月26日：会計隊の改編に伴い、第439会計隊が廃止され、第342会計隊稚内派遣隊が設置。
2017年（平成29年）：J/FPS-2レーダーの運用終了
2022年（令和4年）：J/FPS-7|J_FPS-7Bレーダー運用開始

駐屯部隊・機関

分屯基地の管理業務（警備・給食など）は、名寄駐屯地業務隊稚内管理班と第301沿岸監視隊の陸上自衛官・技官が担当しています。電気や給気は海上[[自衛隊]]からも要員が出され共同で行っています。基地内の契約や会計管理は陸上自衛隊の会計隊が一括して行い、外部回線や基地内の通信業務は陸上自衛隊の基地システム通信中隊派遣隊が一括して担当しています。

陸上自衛隊稚内分屯地

北部方面隊隷下部隊
北部方面情報隊
第301沿岸監視隊：宗谷海峡の監視を担当。
北部方面会計隊
第342会計隊 稚内派遣隊
北部方面システム通信群
第101基地システム通信大隊
第301基地通信中隊 稚内派遣隊
名寄駐屯地業務隊
稚内管理班：稚内分屯基地全般の業務支援及び警備の一部を担当。

海上[[自衛隊]]稚内基地

大湊地方隊
稚内基地分遣隊：稚内港に寄港する艦船の受け入れを担当し、宗谷海峡の警備業務も行う。

航空自衛隊稚内分屯基地

北部航空警戒管制団
第18警戒隊：稚内レーダーサイト（J/FPS-7|J_FPS-7レーダー）の運用及び稚内分屯基地の警備を担当。
作戦情報隊
電波情報収集群
第1収集隊
情報本部
電波部
東千歳通信所
稚内係：ロシアの通信傍受を担当

最寄りの幹線交通

一般道：国道40号、北海道道106号稚内天塩線、北海道道121号稚内幌延線、北海道道254号抜海港線
鉄道：JR北海道宗谷本線 稚内駅
港湾：稚内港（重要港湾）
飛行場：稚内空港（第二種空港）

脚注

関連項目

大韓航空機撃墜事件
ロシア太平洋艦隊
北部航空警戒管制団

外部リンク

礼文分屯地・稚内分屯地の紹介（陸上自衛隊第2師団HP内）
海上[[自衛隊]]稚内基地分遣隊
航空自衛隊第18警戒隊

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