穆亮

穆亮（ぼくりょう）

穆亮（451年 - 502年）は、北魏時代の政治家であり軍人です。字は幼輔、もとの字は老生。本貫は河南郡洛陽県。

生涯

穆亮は穆平国（穆寿の子）の子として生まれました。献文帝の時代に侍御中散を初任とし、政界でのキャリアをスタートさせます。その後、中山長公主を妻に迎え、駙馬都尉の位を受けました。471年（延興元年）12月には趙郡王に封じられ、侍中・征南大将軍の位を加えられました。その後まもなく長楽王に徙封されています。

孝文帝の初年には、使持節・秦州刺史に任じられ、地方の統治を担いました。後に平城に召還され、中央に戻り殿中尚書となります。その後、再び地方へ赴き、使持節・征西大将軍・西戎校尉・敦煌鎮都大将として西方を守備しました。さらに都督秦梁益三州諸軍事・征南大将軍・領護西戎校尉・仇池鎮将へと転じ、広範囲にわたる軍事・行政の責任を担いました。

485年（太和9年）には、宕昌王梁弥機が死去し、子の梁弥博が跡を継ぎましたが、吐谷渾の攻撃を受け、仇池に逃亡しました。穆亮は梁弥博が北魏に従順でないと判断し、梁弥機の兄の子である梁弥承を新たな王として擁立することを孝文帝に上表し、認められました。穆亮は3万の兵を率いて龍鵠に赴き、吐谷渾を撃退し、梁弥承を王位につけて帰還しました。また、階陵県比谷の羌である董耕奴・斯卑らが数千人を率いて仇池に侵攻し、陽遐嶺に駐屯した際には、副将の楊霊珍が騎兵を率いてこれを撃破しました。穆亮は氐の豪族である楊阿卜珍を広業郡太守に任用し、現地の諸族の心を掌握し、治安を安定させました。

その後、平城に召還され、侍中・尚書右僕射となりました。司州が再び設置されると、尚書の陸叡の推挙により穆亮は司州大中正に任命されました。488年（太和12年）には、南朝斉の将軍である陳顕達が醴陽を攻め落としたため、穆亮は使持節・征南大将軍・都督懐洛南北豫徐兗六州諸軍事に任じられ、陳顕達の軍を攻撃し、これを敗走させました。勝利の後、凱旋を果たしました。489年（太和13年）12月には、司空に昇進し、律令制定の議論にも参加しました。492年（太和16年）には、王から公に爵位を降格されています。

文明太后が亡くなった490年（太和14年）以降、孝文帝は悲しみに沈み、心身を消耗させました。穆亮は孝文帝に対し、王としての義務を説き、過度な服喪を諫めました。まもなく太子太傅を兼任しました。孝文帝が太極殿の建設を計画し、群臣の意見を求めた際、穆亮は民力の疲弊を理由に建設を一年延期するよう進言しました。孝文帝が南征を議論し始めると、穆亮はこれに賛同しました。493年（太和17年）に孝文帝が洛陽に遷都すると、穆亮は武衛大将軍の号を受け、司空のまま摂中軍事を務めました。孝文帝が南征の軍を起こすと、穆亮は録尚書事として洛陽の留守を預かりました。後に孝文帝が小平から舟で石済へ向かおうとした際、穆亮は無用な危険を冒さず橋を利用するよう諫めました。

497年（太和21年）には、穆亮の兄である穆羆が穆泰の乱に加担していたことから、穆亮は司空府事付司馬の慕容契を通じて、自らを弾劾する上表を行わせました。孝文帝は穆亮の退任を認めず、司空府に戻って職務を続けるよう命じましたが、穆亮が再三固辞したため、最終的に退任が認められました。同年7月には、使持節・征北大将軍・開府儀同三司・冀州刺史に任じられ、頓丘郡開国公に徙封されました。

宣武帝が即位すると、定州刺史に転じました。まもなく驃騎大将軍・尚書令に任じられ、501年（景明2年）11月には司空公に転じました。502年（景明3年）閏4月に死去。享年52。太尉公・領司州牧の位を追贈され、諡は匡とされました。

子に穆紹がいます。

伝記資料

『魏書』巻27 列伝第15
『北史』巻20 列伝第8
* 太尉領司州牧驃騎大将軍頓丘郡開国公穆文献公亮墓誌銘（穆亮墓誌）

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