穴守稲荷駅

穴守稲荷駅：羽田空港へのアクセス拠点と地域経済を支える駅

東京都大田区羽田四丁目に位置する京浜急行電鉄空港線の穴守稲荷駅(KK14)は、羽田空港へのアクセス拠点として、そして周辺地域経済を支える重要な役割を担う駅です。駅名は、近隣に鎮座する穴守稲荷神社に由来しています。

変遷に富む歴史

穴守稲荷駅の歴史は長く、幾度かの改名と移転を経て現在の姿に至っています。当初は「穴守駅」として開業しましたが、羽田駅、稲荷橋駅と改称されました。戦後の連合国軍による羽田空港周辺の接収に伴い、穴守稲荷神社が現在地に移転したことにより、現在の「穴守稲荷駅」に改称されました。この歴史は、駅の周囲の土地利用や発展と深く関わっていると言えるでしょう。

駅は、大晦日から元日にかけて行われていた京急空港線の終夜運転において、羽田空港の警備上の理由から運転区間の終点駅となっていました。折り返し設備がなかったため、下り列車は羽田空港国内線ターミナル駅(現・羽田空港第1・第2ターミナル駅)まで回送されていました。

穴守稲荷神社をイメージした駅舎

駅舎は、穴守稲荷神社を模したデザインが特徴的です。朱色の鳥居、狐像、幟旗など、神社の雰囲気を彷彿とさせる装飾が施されており、他の駅とは一線を画す個性的な空間を創り出しています。駅前に立つ朱色の鳥居は、大成建設株式会社が奉納したもので、神社の現社殿を施工した企業であることに由来しています。

交通の要衝としての役割

穴守稲荷駅は、単なる鉄道駅にとどまらず、周辺地域全体の交通の要衝となっています。羽田空港への近接性から、空港利用者の利便性を高める役割を果たしています。また、近年の開発により、首都高速道路や環八通りなどの主要道路網にもアクセスが容易で、東京港や横浜港へのアクセスも良好です。こうした立地条件から、ヤマトグループ羽田クロノゲートをはじめとする物流関連企業や、空港関連企業、ホテル、商業施設などが多く集積しています。

利用状況と今後の展望

2022年度の1日平均乗降人員は17,636人で、京急線全72駅中33位です。かつては減少傾向にあった利用客数も、近年は通勤客や空港利用客の増加により増加傾向にあります。今後も、羽田空港の更なる発展や周辺地域の開発にともない、穴守稲荷駅の利用客数は増加していくと予想されます。

駅周辺環境

駅周辺には、大田区立羽田図書館、大田区立羽田小学校などの公共施設、羽田共生病院などの医療施設、そして穴守稲荷神社などの史跡・自然が点在しています。また、ホテルJALシティ羽田東京、アパホテル〈羽田 穴守稲荷駅前〉など、空港利用者向けのホテルも複数あります。さらに、荏原製作所本社、東京機内用品製作所本社工場、テーブルマーク食品開発センター、全日本空輸訓練センターといった企業の本社や工場、研究施設も立地しています。

バス路線

京浜急行バスの路線が複数運行されており、羽田空港、蒲田駅、川崎駅などへのアクセスも確保されています。穴守稲荷駅周辺と六間堀バス停の両方を経由する路線もあり、利用者の利便性を高めています。

隣の駅

隣の駅は、大鳥居駅と天空橋駅です。エアポート快特、快特は通過します。

穴守稲荷駅は、羽田空港へのアクセス利便性、周辺のビジネス環境、そして独自の駅舎デザインなど、多くの魅力を兼ね備えた駅です。今後も、地域の活性化に貢献する存在として、更なる発展が期待されます。

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