竇毅

竇毅（とう き）

竇毅（519年 - 582年）は、中国の北魏時代末期から隋時代にかけての軍人であり、字は天武と称しました。扶風郡平陵県を本貫とします。

生涯

竇毅は、竇岳（竇熾の兄）の子として生まれ、幼い頃から落ち着いた態度と孝行で知られていました。532年に員外散騎侍郎として官界に入ります。当時、高歓が北魏の朝廷を専断していましたが、竇毅は孝武帝への忠誠を貫きました。

534年、孝武帝が西魏へ遷都する際、竇毅は帝に従って関中に入り、奉高県子に封ぜられ、符璽郎に任ぜられました。宇文泰の指揮下で数々の戦いに参加し、竇泰討伐、弘農奪回、沙苑の戦いなどで功績を挙げ、右将軍・太中大夫に昇進し、侯の爵位を授けられました。その後も持節・撫軍将軍・通直散騎常侍と昇進を重ね、553年には車騎大将軍・儀同三司・大都督となり、安武県公に進みました。554年には、驃騎大将軍・開府儀同三司・大都督となり、永安県公に改封され、幽州刺史として地方へ赴任しました。

557年に北周が成立し、孝閔帝が即位すると、竇毅は神武郡公に進爵しました。563年には長安に召還され、左宮伯、小宗伯を経て、大将軍に任ぜられました。

565年、宇文純・宇文貴・楊薦らと共に突厥へ阿史那皇后を迎えに行きました。突厥は北周と北斉の間で情勢を観望し、なかなか皇后を嫁がせようとしませんでしたが、竇毅は正論を述べ、突厥の不誠実さを責めました。568年、皇后を無事に連れて帰国すると、成都県公に封ぜられました。571年には柱国に進み、同州刺史として再び地方へ赴任し、後に蒲州総管、金州総管を歴任しました。580年6月には上柱国の位を加えられ、同年8月には長安に召還され、大司馬に任ぜられました。

581年に隋が建国されると、竇毅は定州総管に任ぜられましたが、582年に定州で病没しました。享年64歳。襄郢等六州刺史の位を追贈され、諡は粛とされました。618年に唐が建国されると、司空・荊郢硤夔復沔岳沅澧鄂十州諸軍事・荊州刺史の位が追贈され、杞国公に追封されました。

家族

妻：襄陽長公主（宇文泰の五女）
子：
竇照
竇文殊
竇賢（後嗣）
女：太穆竇皇后（唐の高祖李淵の妻）

伝記資料

『周書』巻30 列伝第22
『北史』巻61 列伝第49

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