立山黒部ジオパーク

立山黒部ジオパーク

立山黒部ジオパークは、富山県東部の9市町村と富山湾をエリアとするジオパークです。その特徴は、38億年前の地層から標高約3000mの立山連峰、そして水深1000mに達する富山湾まで、高低差4000mにも及ぶダイナミックな地形が広がっている点です。この広大なエリアは、長い年月をかけて形成された地球の歴史を体感できる場所として、多くの人々を魅了しています。

概要

立山黒部ジオパークのテーマは、「38億年×高低差4000m!体感しようダイナミックな時空の物語」です。このテーマは、黒部市宇奈月地域で発見された日本最古のジルコンに遡る歴史と、立山連峰から富山湾までの広大な空間に由来します。エリア内には、ラムサール条約湿地に登録された立山弥陀ヶ原や大日平、中部山岳国立公園などの自然公園が数多く存在し、豊かな自然環境を誇ります。

当初は12のエリア、48のジオサイト、315のジオポイントで構成されていましたが、現在は見直しが行われ、12のエリア、109のジオ・自然・文化サイトで構成されています。運営は一般社団法人立山黒部ジオパーク協会が主導しており、地方公共団体ではなく民間主導で活動している点が特徴です。2014年8月28日に日本ジオパークとして認定されました。

沿革

• - 2014年8月28日：日本ジオパークに認定。
• - 2019年1月18日：保全活動の不明瞭さや情報提供の不足を理由に、日本ジオパーク委員会から条件付きで再認定（2年間の期限付き）。
• - 2021年2月5日：再認定。

主なサイト

立山黒部ジオパークは、12のエリアに分かれており、それぞれに特徴的なジオサイト、自然サイト、文化サイトが存在します。

後立山連峰エリア

• - ジオサイト：鹿島槍ヶ岳
• - 自然サイト：白馬岳

朝日エリア

• - ジオサイト：寺谷アンモナイト包蔵地、ヒスイ海岸（宮崎・境海岸）

黒部川扇状地エリア

• - ジオサイト：杉沢の沢スギ、入善沖の海底林

黒部峡谷エリア

• - ジオサイト：38億年前のジルコン産地、祖母谷温泉と黒部川花崗岩
• - 自然サイト：欅平

片貝川・早月川エリア

• - ジオサイト：魚津埋没林
• - 自然サイト：早月川河口

上市川・白岩川エリア

• - ジオサイト：谷口凝灰岩と呉羽山礫層

立山エリア

• - ジオサイト：雄山、室堂平、弥陀ヶ原（立山カルデラ）、立山の山崎圏谷、鳶崩れ跡、称名滝
• - 自然サイト：美女平、有峰
• - 文化サイト：立山室堂

黒部川源流エリア

• - ジオサイト：薬師岳の圏谷群

富山平野エリア

• - 自然サイト：常願寺川河川敷のアキグミ林
• - 文化サイト：石倉町の延命地蔵の水、常西合口用水、北代遺跡

神通川エリア

• - ジオサイト：恐竜足跡化石群露頭
• - 文化サイト：猪谷関所跡

八尾・山田エリア

• - ジオサイト：掛畑の貝化石

富山湾エリア

• - 自然サイト：ホタルイカ群遊海面

関係自治体

立山黒部ジオパークは、以下の9市町村によって構成されています。

• - 黒部市
• - 魚津市
• - 滑川市
• - 富山市
• - 下新川郡朝日町
• - 下新川郡入善町
• - 中新川郡上市町
• - 中新川郡立山町
• - 中新川郡舟橋村

まとめ

立山黒部ジオパークは、地球の歴史と大自然を体感できる貴重な場所です。多様な地形、豊かな自然、そして歴史的な文化遺産が共存しており、訪れる人々に感動と学びを提供しています。ぜひ一度、この地を訪れて、地球の息吹を感じてみてください。

参考文献

• - 『シリーズ大地の公園 中部・近畿・中国・四国のジオパーク』古今書院、2015年6月12日。ISBN 978-4-7722-5282-9。
• - 立山黒部ジオパーク協会『歩いて手繰る立山黒部ジオパーク見聞録』立山黒部ジオパーク協会、2020年、151頁。ISBN 9784600004811。
• - 吉岡 翼、増渕佳子、藤田将人「地球を丸ごと考える自然の公園 立山黒部ジオパーク」（PDF）『とやまと自然』第38巻第4号、富山市科学博物館、2016年、1-8頁。

関連項目

• - ジオパーク
• - ジオツーリズム
• - 中部山岳国立公園
• - 立山黒部アルペンルート

外部リンク

• - 立山黒部ジオパーク 高低差4000mロマン
• - 立山黒部ジオパーク (@tatekurogeopark) - X（旧Twitter）
• - 立山黒部ジオパーク (tatekuro) - Facebook
• - 立山 まや (@tatekuro_geopark) - Instagram
• - 立山黒部ジオパーク - 日本ジオパークネットワーク

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