立花種周

立花 種周の生涯

立花種周（たちばな たねちか）は、筑後国三池藩の第6代藩主であり、政令と経済の安定に多大な貢献を果たしたことで知られています。彼の人生は、家族の変遷や政治の変革と深く絡み合っています。

家督の相続

種周は延享元年、1744年8月8日に第5代藩主・立花長煕の次男として生まれました。長兄が早くに他界したため、彼は若くして世子となり、宝暦12年（1762年）9月26日、父の隠居を受けて藩主の座を継ぎました。そのわずか数ヶ月後の12月18日には、従五位下と出雲守に叙任されます。

藩主として、立花種周は三池炭鉱の整備や寺社政策の推進に力を注ぎ、藩政における全盛期を築きました。寛政元年（1789年）12月には、藩祖・立花直次の顕彰碑を領内の菩提寺である紹運寺に建立し、藩の伝統や歴史を重んじました。

幕閣での活動

寛政元年の6月、種周は幕府大番頭に任命されます。この頃、旗本の立花直敬が江戸城の門番頭を辞任しており、家の変わり果てた姿を象徴していました。その後、寛政4年には奏者番と寺社奉行を兼任し、さらに寛政5年には若年寄に就任し、寛政の改革に関与しました。

彼は寛政11年（1799年）には、蝦夷地総監として近藤重蔵を登用し、国後島や択捉島の探検を支援するなど、外郭の拡大にも寄与しました。しかし、この時期、幕政改革の中での政権争いが激化し、種周は一橋派に属しましたが、政争に敗北。文化2年（1805年）11月には若年寄を解任されることとなり、12月には強制的に家督を四男の種善に譲渡し、蟄居を命じられることとなりました。

下手渡への転封と最期

その後、立花家は種善の代に陸奥伊達郡下手渡藩に転封され、立花種周も下手渡への移転を余儀なくされました。彼は文化6年（1809年）10月15日に亡くなり、享年66歳でした。

家族構成

立花種周は父・立花長煕と母・於豊（法明院）のもとに生まれました。母は堀直英の娘です。正室には於悦（泉流院）があり、彼女もまた稲葉正益の娘です。直系には長男・立花種徳、四男・立花種善、五男・立花種道などがいます。

立花種周はその政治的業績だけでなく、家族や藩の歴史にも深い影響を与えた藩主として、その名前を刻んでいます。彼の一生を通じての実績は、筑後国の歴史に残り、語り継がれることとなりました。

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