竹島一彦

竹島一彦（たけしま かずひこ）氏は、1943年3月16日生まれの日本の大蔵官僚であり、現在は森・濱田松本法律事務所の顧問を務めています。大蔵省では大臣官房総務審議官、経済企画庁長官官房長、国税庁長官といった要職を歴任し、初代内閣官房副長官補や公正取引委員会委員長も務めました。義父は三和銀行副頭取や大蔵省国際金融局長を務めた村井七郎氏です。

人物像

竹島氏は、内閣官房副長官補時代に個人情報保護法の制定に深く関わり、その法案の「黒幕」と目されることもありました。また、被用者健康保険の本人負担を2割から3割に引き上げる制度改革を強行し、その際には猛烈な反発を招いたものの、制度改正を実現しました。

2002年7月には公正取引委員会委員長に就任。在任中は、電通による広告業界の寡占化問題に正面から取り組み、「第二の竹島問題」とまで呼ばれました。独占禁止法の改正、談合や優越的地位の濫用に対する監視・摘発の強化にも尽力し、公正取引委員会を「吠えない番犬」から「戦う公取委」へと変貌させた人物として高く評価されています。二度の再任を経て2012年に退任しましたが、その実績は経済界からも高く評価されています。

退任後、国会同意人事の遅れにより後任の委員長がなかなか決まらず、さらに細川清委員の死去も重なり、公正取引委員会は史上初の委員3人体制となりました。退任会見では、「一日でも早く補充をお願いしたい」と訴えました。2013年には、瑞宝大綬章を受章。さらに、イギリスの競争法専門誌『Global Competition Review』から、競争法普及発展に貢献した人物に贈られる「Lifetime Achievement Award」をアジア人として初めて受賞しました。

経歴

竹島氏は、北海道学芸大学附属札幌小学校、同中学校、北海道札幌南高等学校を卒業後、東京大学に進学。経済学部を卒業後、1965年に大蔵省に入省しました。大蔵省では、大臣官房秘書課、理財局資金課、主計局などを経て、1994年に大臣官房総務審議官に就任。その後、経済企画庁官房長、国税庁長官などを歴任しました。

1998年には内閣官房内閣内政審議室長、2001年には内閣官房副長官補（内政担当）に就任。2002年に退官し、同年公正取引委員会委員長に就任しました。2013年には森・濱田松本法律事務所の顧問に就任し、ニトリホールディングスや日本空港ビルデングなどの役員も務めています。

同期

大蔵省の同期には、薄井信明（国民金融公庫総裁）、榊原英資（財務官）、鏡味徳房（東日本銀行会長）、東力（衆議院議員）など、政財界で活躍する多くの人材がいます。

竹島一彦氏は、官僚として数々の要職を歴任し、その政策手腕と強いリーダーシップを発揮。特に、公正取引委員会委員長としての功績は、日本の競争政策の発展に大きく貢献したと言えるでしょう。

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