第104師団 (日本軍)とは？意味をやさしく解説

第104師団

第104師団は、1938年（昭和13年）に大日本帝国陸軍によって編成された師団です。留守第4師団の担当により、特設師団として創設されました。当初は三単位師団として編成された第26師団よりも後に編成されましたが、2個連隊からなる歩兵旅団を2つ持つ甲編成の作戦師団として、その規模は大きく編成されました。

沿革

創設と初期の活動

1938年 6月16日、第104師団は動員下令を受け、同年6月25日には大陸命第120号により満州への派遣が決定しました。この時期には張鼓峰事件が発生しており、琿春方面へ出動しましたが、8月11日に停戦となり、大連へ帰還しました。

広東作戦

その後、同年9月19日に新設された第21軍の戦闘序列に編入され、広東作戦に投入されました。10月12日には第18師団とともにバイアス湾から奇襲上陸を行い、広東を攻略しました。広東陥落後は、従化付近に駐屯し、警備と治安維持に従事しました。

編制の変更と再出動

1940年2月9日、大陸命第415号により第21軍が廃止され、新設の南支那方面軍戦闘序列に編入されました。1941年 1月13日には大陸命第481号により南支那方面軍戦闘序列を解かれ、一時帰還しました。この際、隷下の歩兵第170連隊が抽出され、独立混成第21旅団として仏印方面に転用されたため、師団は三単位師団に改編されました。同年7月5日には大陸命第503号により第23軍戦闘序列に編入され、再度出動し、さまざまな作戦に参加しました。

太平洋戦争

太平洋戦争開戦後も、第23軍隷下として華南に在り続けました。1944年には大陸打通作戦が開始されると、第二段湘桂作戦に参加し、9月16日には広東省肇慶、11月4日には広西省武宣を攻略、6日には象県を占領しました。粤漢作戦では1945年 1月15日に広東省恵州、18日には海豊を攻略しました。その後は海豊周辺に展開し、連合国軍の中国南部上陸に備えていましたが、連合国軍の中国南部上陸はなく、同地で終戦を迎えました。

師団概要

第104師団は、その創設から終戦まで、中国大陸を舞台に激戦を繰り広げました。特に広東作戦や大陸打通作戦における活躍は特筆すべき点です。

歴代師団長

三宅俊雄中将：1938年 6月25日 - 1938年11月17日
浜本喜三郎中将：1938年11月17日 - 1940年12月2日
菰田康一中将：1940年12月2日 - 1942年8月1日
鈴木貞次中将：1942年8月1日 - 1945年3月23日
末藤知文中将：1945年3月23日 - 終戦

参謀長

片岡董騎兵大佐：1938年7月3日 - 1939年4月6日
塘真策歩兵大佐：1939年4月6日 - 1939年8月1日
佐久間亮三騎兵大佐：1939年8月1日 - 1940年11月13日
内野宇一大佐：1940年11月13日 - 1942年4月24日
日笠賢中佐：1942年4月24日 - 1943年3月18日
斎藤二郎大佐：1943年3月18日 - 1944年8月22日
鈴木勇雄大佐：1944年8月22日 - 終戦

最終所属部隊

歩兵第108連隊（大阪）：青野三郎大佐
歩兵第137連隊（大阪）：藤本末夫大佐
歩兵第161連隊（和歌山）：清水圓大佐
野砲兵第104連隊：横川止知少佐
工兵第104連隊：森立身少佐
輜重兵第104連隊：門口元一中佐
第104師団通信隊：猪瀬徳大尉
第104師団兵器勤務隊：福桝数一大尉
第104師団野戦病院：福田一郎軍医少佐
第104師団病馬廠：福岡孝寿獣医少佐

脚注

（脚注に関する情報は原文に記載されていませんでした。必要であれば追記してください。）

参考文献

外山操・森松俊夫編著『帝国陸軍編制総覧』芙蓉書房出版、1987年。
秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
福川秀樹『日本陸軍将官辞典』芙蓉書房出版、2001年。
外山操編『陸海軍将官人事総覧陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。

第104師団 (日本軍)