第21回ゴールデングローブ賞

1963年に公開された映画および放送されたテレビ番組を対象とした第21回ゴールデングローブ賞の授賞式は、1964年3月11日に執り行われました。ハリウッド外国人記者協会が主催するこの賞は、その年の優れた作品と個人を表彰する重要なイベントです。

映画部門 受賞・ノミネート

作品賞（ドラマ部門）

最優秀作品には、信仰と政治を巡る重厚なドラマ『枢機卿』が選ばれました。この部門には、エリザベス・テイラー主演の超大作『クレオパトラ』、脱走劇の名作『大脱走』、ポール・ニューマン主演の人間ドラマ『ハッド』、そしてシドニー・ポワチエが主演した『野のユリ』など、バラエティ豊かな力作がノミネートされていました。

作品賞（ミュージカル・コメディ部門）

痛快な冒険活劇『トム・ジョーンズの華麗な冒険』が作品賞を獲得しました。この部門には、シャーリー・マクレーンとジャック・レモン主演のロマンティックコメディ『あなただけ今晩は』や、群像コメディの決定版『おかしなおかしなおかしな世界』などがノミネートされ、コメディ作品の豊作を象徴していました。

主演男優賞（ドラマ部門）

『野のユリ』で孤独な黒人渡り鳥を演じたシドニー・ポワチエが見事受賞しました。この年の候補者リストには、マーロン・ブランド、レックス・ハリソン、スティーブ・マックイーン、ポール・ニューマン、グレゴリー・ペックといった、当時の映画界を代表するそうそうたるスターたちが名を連ねていました。

主演女優賞（ドラマ部門）

en:The L-Shaped Roomに出演したレスリー・キャロンが受賞を果たしました。ナタリー・ウッドやロミー・シュナイダーなど、当時の人気女優たちがノミネートリストに挙がりました。

主演男優賞（ミュージカル・コメディ部門）

en:To Bed or Not to Bedの演技で、イタリアのコメディ俳優アルベルト・ソルディが受賞しました。アルバート・フィニー、『シャレード』のケーリー・グラント、『あなただけ今晩は』のジャック・レモン、フランク・シナトラといった、個性豊かな俳優たちがノミネートされました。

主演女優賞（ミュージカル・コメディ部門）

『あなただけ今晩は』での魅力的な演技が高く評価され、シャーリー・マクレーンが受賞しました。この部門には、『バイ・バイ・バーディー』のアン＝マーグレット、『女房は生きていた』のドリス・デイ、『シャレード』のオードリー・ヘプバーンなど、多くの人気女優が名を連ねていました。

助演男優賞

『枢機卿』で監督も務めたジョン・ヒューストンが助演男優賞を受賞しました。リー・J・コッブやメルヴィン・ダグラス、ロディ・マクドウォールらがノミネートされました。

助演女優賞

『予期せぬ出来事』に出演したマーガレット・ラザフォードが助演女優賞に輝きました。パトリシア・ニールやリリア・スカラなどが候補に挙がりました。

監督賞

優れた監督に贈られる監督賞は、『アメリカ アメリカ』を手がけたエリア・カザンが受賞しました。ノミネートされた監督には、ジョーゼフ・L・マンキーウィッツ、オットー・プレミンジャー、トニー・リチャードソン、マーティン・リット、ロバート・ワイズといった、それぞれの時代を彩る巨匠たちが名を連ねていました。

テレビ部門 受賞

映画だけでなく、テレビ番組も表彰されました。

作品賞（ドラマ部門）：en:The Richard Boone Show
作品賞（ミュージカル・コメディ部門）：en:The Dick Van Dyke Show
作品賞（バラエティ部門）：The Danny Kaye Show
男優賞：ミッキー・ルーニー（Mickey）
* 女優賞：en:Inger Stevens（The Farmer's Daughter）

第21回ゴールデングローブ賞は、1963年のエンターテインメント界における主要な成果を広く称揚する機会となりました。特に映画部門では、数々の名作と伝説的な俳優たちが光を浴び、その後の映画史に名を刻む作品や人物が多く選出されました。この授賞式は、当時の映画およびテレビ産業の活気を示す象徴的なイベントの一つと言えるでしょう。

もう一度検索