筑波 (巡洋戦艦)

筑波（つくば）

筑波（つくば）は大日本帝国海軍が保有した巡洋戦艦であり、建造当初は装甲巡洋艦として設計されました。これは筑波型巡洋戦艦の1番艦で、その名前は茨城県にある筑波山に由来しています。筑波は日本海軍の艦船の中で、筑波艦に次ぐ二隻目の艦でもありました。

概要

筑波は、戦艦並みの砲撃力を備えた巡洋艦であり、日露戦争中に戦艦「初瀬」と「八島」を喪失したことを受けて、姉妹艦である生駒と共に急遽計画され、建造されました。この艦は技術的には巡洋戦艦の先駆けと言えます。また、旅順港の閉塞作戦で起こった事故を受け、衝角を廃止した設計となっています。1912年には巡洋戦艦という分類が新設されるまでは、一等巡洋艦として扱われていました。筑波と同様に国産の装甲艦である戦艦「薩摩」とともに、初めて国内建造された艦の一つでもあります。

残念なことに、1917年1月14日、横須賀港での火薬庫爆発により筑波は沈没しました。ただし、浅い海底に座礁したため浮揚は可能とされ、潜水母艦や水上機母艦への改造も検討されましたが、最終的には解体処分が決定されました。なお、『ジェーン海軍年鑑』は類別変更前の装甲巡洋艦の分類を用いたものの、ワシントン海軍軍縮条約では同型艦生駒が戦艦に分類されました。

建造

筑波は日露戦争での戦艦喪失を補うために、日露戦争臨時軍事費から建造が決定されました。その設計は国産艦としての初の試みであり、大規模な艦船として呉工廠で建造されました。筑波の基準排水量は約13,500トンで、当時の最大艦である松島型防護巡洋艦の約4,200トンからは大きな技術的進展を示しました。装甲巡洋艦として優れた防御力を保ちながら、主砲には当時の主力戦艦と同じ12インチ砲を搭載しています。

1904年6月23日に製造訓令が出され、呉海軍工廠で「筑波」は起工されました。その進水式は当初1905年の12月に予定されていましたが、進水台の異常により延期され、12月26日に行われました。この日に嘉仁親王の臨席のもと、正式に「筑波」と命名され、一等巡洋艦に類別されました。1907年1月14日に筑波は竣工し、その後アメリカ改築300年祭の観艦式に参加しました。

竣工後

竣工後の筑波は、明治天皇の臨席のもとでの様々な式典にも参加し、1912年には艦艇類別等級表の改訂により巡洋戦艦に類別されることになります。1914年には第一次世界大戦に伴い、西太平洋地域に派遣され、ドイツ領南洋諸島の占領にも参加しました。続いて1915年には大正天皇即位記念観艦式の御召艦も務め、観艦式には多くの艦艇が集結しました。

爆沈とその影響

1917年1月14日、横須賀軍港で大爆発が発生し、筑波は沈没してしまいました。この事故では340名ほどの乗組員が艦内に残っており、そのうち125名が命を落とし、27名が行方不明となったのです。爆発の原因について調査が行われ、人為的要因によるものであるとの結果が出されました。その後、残務処理が進められ、筑波の艦籍は1920年9月1日に除籍され、艦艇類別等級表からも削除されました。横須賀には筑波と河内を慰霊するための碑も建てられ、事故を忘れない記憶として今に残されています。

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