紀元前18世紀

紀元前18世紀：文明の興亡と文化の開花

紀元前18世紀は、世界各地で文明が興亡し、文化が大きく発展した時代でした。メソポタミアではハンムラビ法典が編纂され、エジプトでは王朝交代が繰り返され、中国では殷王朝が成立しました。この時代は、青銅器文化の成熟、新たな文字体系の登場、そして都市国家間の勢力争いなど、多くの重要な出来事が起こった時代として知られています。

メソポタミア：ハンムラビの時代

メソポタミアでは、バビロニア第1王朝のハンムラビ王が活躍しました。ハンムラビは、周辺地域を征服し、メソポタミアを統一しました。彼の治世は40年近くに及び、この時代には有名な『ハンムラビ法典』が編纂されました。法典は、社会秩序の維持に大きく貢献しました。また、この時代には、バビロンの都市神マルドゥクを主神とした叙事詩『エヌマ・エリシュ』がまとめられました。ハンムラビの死後、バビロニアは衰退に向かいました。

一方、シリアのマリ王国では、ジムリ・リム王が活躍しました。彼はマリを再興し、王国の文書庫を整備し、「マリ文書」と呼ばれる膨大な数の粘土板文書を残しました。これらの文書は、当時の社会情勢を知る上で貴重な資料となっています。

エジプト：王朝交代と混乱

エジプトでは、第12王朝が終わり、第13王朝と第14王朝へと移行しました。この時代は、王朝の交代が頻繁に起こり、政治的混乱が続きました。

中国：殷王朝の成立

中国では、殷（商）王朝が興り、夏王朝を滅ぼしました。殷王朝は、中国最初の王朝として、高度な青銅器文化や文字文化を発展させました。

その他の地域

この時代には、世界各地で独自の文化が発展しました。
インダス文明の衰退後、インド各地では地方文化が独自に発展しました。パンジャーブのH墓地文化やガンガー・ヤムナー・ドアーブ地方の赭色土器文化などがその代表です。
ウラル川上流域では、シンタシュタ遺跡が形成され、クルガンに車輪付きのチャリオットが副葬されるなど、独自の文化が発展しました。
クレタ島では、線文字Aが用いられ、ミノア文明が栄えました。
地中海東岸のビブロスでは、ビブロス文字が用いられました。
トルコのカマン・カレホユック遺跡では鉄滓が出現し、鉄器時代の到来を示唆しています。
スペインのエル・ロメラル遺跡や、デンマークの「トロンハイムの太陽の馬車」などがこの時代に作られました。
イベリア半島南部では、エル・アルガール文化が成立し、青銅器文化が発展しました。
アムル人はウルクとイシンを征服し、メソポタミアの歴史に大きな影響を与えました。
ヒクソスがエジプト北部を占領し、エジプトの歴史に大きな影響を与えました。
アラスカ半島では、ベニアミノフ山の大噴火が発生しました。
中央ヨーロッパでは、トシュチニェツ文化が始まりました。

主要人物

ハンムラビ：バビロニア帝国の王。ハンムラビ法典を編纂したことで知られる。
ジムリ・リム：シリアのマリ王国の王。マリ文書を整備した。
ピトハナ：記録に残る最古のヒッタイト王。
* アニッタ：ヒッタイト王、ピトハナの息子。ハットゥシャシュを占領した。

まとめ

紀元前18世紀は、世界各地で文明が興亡し、文化が発展した大変重要な時代でした。メソポタミアの統一、エジプトの王朝交代、殷王朝の成立、そして各地で独自に発展した文化などは、後の歴史に大きな影響を与えました。この時代の出来事を理解することは、世界史を理解する上で欠かせません。

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