紀元前258年

紀元前258年は、ローマ暦における年であり、当時のローマでは「アウルス・アティリウス・カラティヌス」と「ガイウス・スルピキウス・パテルクルス」が執政官に就任した年として認識されていました。また、ローマ建国紀元496年としても知られています。西暦が普及する以前は、これらの年号が用いられていましたが、中世以降、西暦での紀年法が一般的となり、この年は紀元前258年と表記されるようになりました。

各地の紀年法

この年、世界各地では様々な紀年法が用いられていました。

干支: 癸卯（みずのとう）
日本: 皇紀403年、孝霊天皇33年
中国:
周 - 赧王57年
秦 - 昭襄王49年
楚 - 考烈王5年
斉 - 斉王建7年
燕 - 武成王14年
趙 - 孝成王8年
魏 - 安釐王19年
韓 - 桓恵王15年
仏滅紀元: 289年

出来事

この年には、様々な地域で重要な出来事が起こりました。

共和政ローマ

ローマはエンナとカマリナを奪還し、シチリアにおけるカルタゴの支配を覆しました。
シチリア中部では、ローマ軍が過去に2度攻撃したミティストラトンを占拠し、さらに北進してパノルムスに到達しましたが、この都市を奪取するには至りませんでした。
カルタゴとの海戦で大勝利を収めたローマの将軍ガイウス・ドゥイリウスが、ルキウス・コルネリウス・スキピオと共にケンソル（監察官）に就任しました。ノウス・ホモ（新参者）がケンソルに選出されるのは非常に稀な出来事でした。

エジプト

プトレマイオス2世は、キレナイカの支配権を失いました。
エラシストラトスが、アレクサンドリアに医学校を設立しました。

ギリシア

マケドニア王アンティゴノス2世とセレウコス朝の王アンティオコス2世の連合軍が、プトレマイオス2世とのコスの戦いで勝利しました。この勝利により、マケドニアがエーゲ海の制海権を確立し、エジプトの海軍力が大きく低下しました。

ベトナム

文郎国が滅亡しました。

中国

秦の王陵が趙の邯鄲を攻撃しましたが、戦況が不利になったため、昭襄王は病から回復した白起に指揮権を譲ろうとしました。しかし白起はこれを固辞したため、王陵を王齕に交代させました。
趙の孝成王は、平原君を楚に派遣して援軍を要請しました。平原君の食客である毛遂の活躍により、交渉は成功し、楚の考烈王は春申君に援軍を率いて趙へ派遣しました。
魏の安釐王は、趙を救援するために将軍の晋鄙に10万の兵を率いて進軍させましたが、秦からの脅迫を受け、晋鄙の進軍を停止させました。趙の平原君が信陵君に手紙を送り決断を促すと、信陵君は晋鄙を殺害し軍権を奪い、邯鄲の救援に向かいました。

死去

* 武成王 - 燕の王が死去しました。

この年は、各地で様々な勢力争いや政治的変動が起こった年であり、後の歴史に大きな影響を与える出来事が多数発生しました。

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