紀元前283年

紀元前283年は、ローマ暦における重要な年です。当時は、プブリウス・コルネリウス・ドラベッラとグナエウス・ドミティウス・カルウィヌス・マクシムスが共和政ローマの執政官に就任した年として記録されています。また、ローマ建国紀元471年とも呼ばれていました。紀年法として西暦が普及するにつれて、この年は紀元前283年として広く認識されるようになりました。

この年は、他の紀年法では以下のように表されます。

干支：戊寅
日本：皇紀378年、孝霊天皇8年
中国：周 - 赧王32年、秦 - 昭襄王24年、楚 - 頃襄王16年、斉 - 襄王元年、燕 - 昭王29年、趙 - 恵文王16年、魏 - 昭王13年、韓 - 釐王13年
朝鮮：檀紀2051年
仏滅紀元：262年

主要な出来事

セレウコス朝
デメトリオス1世がセレウコス朝の捕虜として亡くなった後、トラキア王リュシマコスがマケドニアを支配しました。しかし、デメトリオス1世の息子アンティゴノス2世が名目上のマケドニア王となり、父の遺産を引き継ぎました。コリントスでは盛大な葬儀が行われ、デメトリオス1世は自身が創設したデメトリアの町に埋葬されました。

共和政ローマ
ウァディモ湖の戦いにおいて、ローマ軍はエトルリア人とガリア人の連合軍を打ち破りました。執政官プブリウス・コルネリウス・ドラベッラの指揮の下、ローマは北イタリアと中部イタリアにおける支配を確固たるものとしました。

エジプト
ナイル川と紅海を結ぶ運河が、プトレマイオス2世によって再修復され、運用が開始されました。この運河は、かつてネコ2世が建設を始め、ダレイオス1世が修理したものでした。また、プトレマイオス2世はアレクサンドリア図書館を拡大し、文法学者ゼノドトスにギリシア語の詩の収集と編集を命じました。

中国
秦と趙が穣で会合しました。秦軍は魏の安城を攻略し、大梁まで進軍して帰還しました。斉では国人が淖歯を殺害し、襄王を擁立しました。趙の恵文王は楚から和氏の璧を手に入れましたが、秦の昭襄王が15の城と交換したいと申し出ました。恵文王は秦の強大さを恐れ、璧を渡すことを考えましたが、騙し取られることを警戒しました。そこで、趙の藺相如が秦への使者となり、璧を守り抜いて帰国しました（完璧の故事）。この功績により、恵文王は藺相如を上大夫に任命しました。

誕生

この年における著名な誕生の記録はありません。

死去

デメトリオス1世 - マケドニア王（紀元前336年生）
プトレマイオス1世 - エジプトの王（紀元前367年生）
嗣君 - 衛の君主

この年は、ローマの勢力拡大、エジプトの文化発展、そして中国における複雑な外交と権力闘争が繰り広げられた、歴史上重要な年として記憶されています。

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