紀元前284年

紀元前284年の出来事

紀元前284年は、ローマ暦における年であり、当時の共和政ローマでは、ガイウス・セルヒリウス・トゥッカとルキウス・カエキリウス・メテッルス・デンテルが執政官を務めた年として知られています。この年は、後に西暦が普及するにつれて、紀元前284年と表記されるようになりました。

各地の紀年法

この年は、他の紀年法では以下のように表されます。

干支: 丁丑
日本: 皇紀377年、孝霊天皇7年
中国: 周 - 赧王31年、秦 - 昭襄王23年、楚 - 頃襄王15年、斉 - 湣王17年、燕 - 昭王28年、趙 - 恵文王15年、魏 - 昭王12年、韓 - 釐王12年
朝鮮: 檀紀2050年
仏滅紀元: 261年

主要な出来事

この年は、各地で様々な出来事が起こりました。

共和政ローマ

アドリア海沿岸に住むガリア人の一部族であるセノネス族が、エトルリアのアレティウム（現在のアレッツォ）を攻撃しました。この都市はローマの同盟都市であったため、ローマは執政官ルキウス・カエキリウス・メテッルス・デンテル率いる軍を派遣し、セノネス族を破りました。しかし、この戦いでローマは莫大な戦費を費やすこととなりました。

ギリシア

ピュロスは、リュシマコスによってマケドニア王国から追放され、故郷のエピロスへと戻りました。

小アジア

プトレマイオス1世の長男プトレマイオス・ケラウノスと、その母エウリュディケは、新しい王プトレマイオス2世によって関係を断たれ、トラキア、マケドニア王国、小アジアの王であったリュシマコスの元へと逃れました。リュシマコスの妻アルシノエ2世は、夫の跡継ぎを長男アガトクレスではなく自身の息子にしたいと考えており、兄のプトレマイオス・ケラウノスの協力を得て陰謀を企てました。彼らはアガトクレスがセレウコス1世と共謀して王位を狙っていると中傷し、アガトクレスを死に追いやりました。このリュシマコスとその家族による残忍な行為は、大きな反発を招き、小アジアの多くの都市で反乱が起こり、リュシマコスの信頼していた人々も彼から離れていきました。

アガトクレスの未亡人リュサンドラは、子供たちとアガトクレスの兄弟であるアレクサンドロスを連れて、リュシマコスの領土を侵略し始めていたセレウコス1世の元へと逃げました。

中国

燕の昭王は斉を攻撃するための軍を派遣し、楽毅を総大将に任命しました。秦は尉斯離に軍を与えて趙・魏・韓の軍と合流させました。趙の恵文王は楽毅に相国の印を授けました。楽毅率いる燕・秦・魏・韓・趙の連合軍は斉に侵攻し、斉の湣王は国中の兵を動員して迎え撃ちましたが、済西の戦いで大敗しました。楽毅は秦と韓の軍を帰国させ、魏軍には宋の旧領を攻略させ、趙軍には河間の地を接収させ、自身は燕軍を率いて斉の奥深くまで侵攻しました。斉の湣王は逃亡し、楽毅は斉の首都である臨淄を占領しました。燕の昭王は遠征軍の功績を称え、楽毅を昌国君に封じました。

逃亡した斉の湣王は衛に亡命しましたが、その傲慢な態度から追い出され、鄒や魯にも受け入れられませんでした。結局、斉の領土でまだ降伏していなかった莒に逃れましたが、楚が斉を救援するために派遣した淖歯を宰相に任命しました。しかし、淖歯は燕との間で斉を分割することを画策し、湣王を殺害しました。

燕の楽毅は斉の70あまりの都市を攻略し、燕の領土に編入しました。

また、秦の昭襄王、魏の昭王、韓の釐王が洛陽で会合しました。

この年に亡くなった人物

ルキウス・カエキリウス・メテッルス・デンテル - ローマの執政官、将軍（紀元前320年生）
アガトクレス - リュシマコスの息子
湣王 - 斉の王

参考文献

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