紀元前314年

紀元前314年：激動の世界

紀元前314年は、古代ローマ暦における重要な年であり、執政官リボとロングスがその任に就きました。この年は、後世に西暦が普及するまで、ローマ建国紀元440年としても知られていました。干支では丁未の年にあたり、東アジア各地でも様々な出来事が起こりました。

マケドニア帝国の分裂とディアドコイ戦争

アレクサンドロス大王の死後、彼の帝国はディアドコイと呼ばれる後継者たちによって分割統治されることとなりました。その中で、アンティゴノス1世はアジア地域で勢力を拡大し、バビロンから逃れたセレウコス1世を支援しました。この動きに対し、マケドニア王国の摂政カッサンドロス、トラキアの太守リュシマコス、エジプトの太守プトレマイオス1世が連合して対抗しました。アンティゴノスはプトレマイオス支配下のシリアに侵攻し、テュロスを陥落させ、シリア全域を占拠。自らを摂政と称するに至りました。

ギリシアにおける抗争

ギリシアでは、カッサンドロスが支配権を維持しようと戦い続けていました。アンティゴノスは、ギリシア諸都市に対し、カッサンドロスに反旗を翻せば自由を保証すると呼びかけ、アイトーリア人たちがこれに同盟しました。カッサンドロスはリュシマコス、プトレマイオス1世、セレウコス1世と連合しアイトーリアに侵攻、アグリニオの町を破壊しました。

共和政ローマの動乱

共和政ローマは、サムニウム人との間で長年にわたる戦いを続けていましたが、この年、サムニウム軍が優勢となり、カンパニア地方からローマに迫る勢いを見せました。その後、ローマとサムニウムのいくつかの町の間で和睦が結ばれました。

中国の戦国時代

中国では、戦国時代が続いており、秦が周辺諸国への侵攻を強めていました。秦は義渠を攻撃して25の城を奪い、魏が秦との同盟を破ったことを理由に魏に侵攻し、曲沃を奪いました。さらに秦は韓を攻撃し、講和の条件として韓の太子倉を人質として受け入れました。燕では宰相の子之が実権を握り内乱状態となり、斉が内戦に介入し、子之と燕王噲を殺害するに至りました。

その他の出来事

この年には、仏滅紀元231年、ユダヤ暦では具体的な出来事の記録はありませんが、東アジアでは皇紀347年、孝安天皇79年、檀紀2020年など、それぞれの暦で年が記されています。

この年に亡くなった人々

クセノクラテス: ギリシアの哲学者。プラトンの弟子で、アカデメイアの学頭。
アイスキネス: アテナイの雄弁家、政治家。
子之: 燕の宰相。
燕王噲: 燕の君主。


紀元前314年は、各地で戦争や権力闘争が繰り広げられた激動の年であり、その後の歴史に大きな影響を与えました。各地域で記録された出来事は、当時の世界情勢を物語る貴重な資料となっています。

もう一度検索