紀元前325年

紀元前325年は、ローマ暦における重要な年であり、当時のローマでは「カミッルスとスカエウァが執政官に就任した年」として記録されていました。また、ローマ建国紀元では429年とされています。中世初期に西暦（キリスト紀元）が普及してからは、紀元前325年と表記されるようになりました。

各地の紀年法

この年には、様々な紀年法が存在していました。例えば、干支では丙申、日本では皇紀336年、中国では周の顕王44年、秦の恵文君13年、楚の懐王4年などとされています。また、朝鮮では檀紀2009年、仏滅紀元では220年でした。

世界各地の出来事

マケドニア帝国

アレクサンドロス大王は、インド遠征から帰還する途上で、家臣のペイトンをインダス川周辺地域のサトラップに任命しました。また、ネアルコス提督には、西インドのヒュダスペス川からペルシア湾へ航海し、バビロンまでユーフラテス川を遡るように命じました。

アレクサンドロス大王の軍は、ペルシアへの帰還中にマリの部族との間で激しい戦闘を繰り返しました。この戦いで軍は消耗し、大王は軍の多くをクラテロス将軍と共にカルマニアへ送り、自身は残りの軍を率いてゲドロシア砂漠を通る南ルートでペルシアへ戻りました。年末には、アレクサンドロス軍はペルセポリスに到達し、同時期にネアルコス率いる海軍がスーサに到着しました。

この頃、ネアルコスの著作に、サトウキビに関する最初の記述が見られます。彼は、インドのアシが「ハチがいないにもかかわらず、蜂蜜を作る」と記録しました。

シチリア

シュラクサイでは、富裕で野心的な市民であるアガトクレスが、都市の寡頭政治を転覆させようとしたために追放されました。

中国

中国では、秦の君主である恵文君が、名目上の主君である周への忠誠を捨てて王を称し、恵文王となりました。この出来事は、他の戦国時代の君主たちにも影響を与え、同様の動きを引き起こしました。また、衛の平侯が亡くなり、子の嗣君が即位しました。

アメリカ大陸

アメリカ大陸では、オルメカの島都市ラ・ベンタが完全に放棄されたと考えられています。

文化・芸術

この頃、古代ギリシアの彫刻は、古典期後期からヘレニズム期へと移行しました。

哲学

アリストテレスは、徳と倫理に関する考察をまとめた『ニコマコス倫理学』を執筆しました。

誕生

この年には、数学者のエウクレイデスや、秦の国王となる昭襄王が誕生しています。

死去

インドの豪族であるムシカノスがこの年に亡くなりました。

まとめ

紀元前325年は、アレクサンドロス大王の遠征からの帰還、中国における新たな王号の登場、そして文化・芸術における大きな転換期など、世界各地で重要な出来事が起こった年でした。この年は、古代世界の歴史を理解する上で、非常に重要な年であると言えるでしょう。

もう一度検索