統一国民党 (スリランカ)

統一国民党（United National Party, UNP）

概要

統一国民党（とういつこくみんとう）は、スリランカの中道右派に位置する政治組織です。1946年にD. S. セーナーナーヤカによって創設され、初代首相に彼が就任するなど、スリランカの政治の中心的存在としての地位を確立しました。1948年に独立を果たすと、1951年に設立されたスリランカ自由党（SLFP）と共に、長期間にわたり二大政党として交互に政権を担当してきました。

歴史的経緯

1940年代から1970年代

統一国民党は、設立から数年後の1977年に行われた第8回総選挙で140議席を獲得し圧勝。この選挙ではジュニウス・リチャード・ジャヤワルダナが首相に就任し、議院内閣制から大統領制へと政治体制の転換をもたらしました。彼は1982年の大統領選挙で再選を果たし、1988年には後継のラナシンハ・プレマダーサが当選します。この時期、UNPはスリランカの政治において圧倒的な影響力を持っていましたが、1994年の総選挙ではSLFPを中心とした「人民連合」に敗れ、政権を失いました。

2000年代の動向

2001年の第12回総選挙では「統一国民戦線」を結成し、109議席を勝ち取って政権を取り戻しました。しかし2004年4月の第13回総選挙では再び敗北し、105議席を獲得した「統一人民自由同盟」に政権を譲ることに。2005年の大統領選挙では元首相ラニル・ウィクラマシンハを候補に立てるも、SLFPのマヒンダ・ラージャパクサに惜敗します。

2010年代の苦境

2010年の大統領選挙でもUNPは敗北し、党内ではウィクラマシンハへの不満が高まりました。2011年に実施された総裁選挙で彼は再選しましたが、2015年の大統領選挙でSLFPを離れたマイトリーパーラ・シリセーナを支持し、辛うじて勝利。その後、国会選挙でも46議席を獲得し再び第一党に返り咲きました。ところが、シリセーナ政権では政党間の対立が続き、地方選挙では大敗を喫しました。

2020年代の転換

2020年の総選挙では内部対立から多くの議員が統一人民戦線（SJP）に離党し、UNPは議席を1つ残す小政党へと転落しました。しかし、2022年にはスリランカ反政府運動の波に乗り、党首ラニル・ウィクラマシンハが首相、続いて大統領に就任し、再び政権の中心に立つことになりました。

現在の状況

2022年現在、統一国民党は大統領としてウィクラマシンハが率いる政権与党ですが、支持基盤は依然として多くの挑戦を受けています。厳しい経済状況や内部の政治的対立と向き合いながら、党の再建を急いでいる状況です。

結論

統一国民党は70年以上の歴史を有し、スリランカの政治において重要な役割を果たしてきました。しかし、近年の選挙結果や景気後退は、この伝統ある政党にとって新たな課題となっています。未来に向かって、党の方針や戦略がどのように変化するのか、引き続き注目されるところです。

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