綿竹市

綿竹市（めんちくし）

綿竹市は、中華人民共和国四川省徳陽市に位置する県級市です。四川盆地の西北部、成都平原の北西端に位置し、山岳地帯と平野が接する場所にあります。古くから交通の要衝、豊かな穀倉地帯として発展し、現在では醸造業を中心とした産業都市として知られています。

地理

綿竹市は、市の西北部には龍門山脈がそびえ立ち、東南部は肥沃な成都平原が広がります。この地形のおかげで、年間を通して温暖な気候と豊富な水資源に恵まれ、農業が盛んです。特に、秦代に建設された都江堰の水利システムは、綿竹市の農業発展に大きく貢献しました。年平均気温は約15度、年降水量は約1,097mmです。

歴史

綿竹市の歴史は古く、古代には蜀山氏の地であったと伝えられています。前漢時代には、近くを流れる綿水（現在の沱江支流である綿遠河）の河畔に多くの竹が生えていたことから、綿竹県という名前が付けられました。後漢末期には、劉焉が益州を支配する際の最初の拠点となりました。三国時代には、諸葛亮の息子である諸葛瞻とその息子の諸葛尚が綿竹の守備を任され、魏の武将である鄧艾の侵攻に対して激しく抵抗しましたが、この地で討ち死にしました。隋代に綿竹県が復活し、その後、この地域の中心都市として発展しました。1996年には県から市に昇格し、徳陽市の管轄下に入りました。

経済

綿竹市は、鉱物資源が豊富で、特にリンの産出量は中国国内で上位にランクインします。鉱業以外にも、醸造業、機械、紡績、建材、化学工業などの工場が立地しており、綿陽市から成都市にかけて広がる工業地帯の一角を担っています。農業では、コメ、トウモロコシ、オオムギ、コムギなどの穀物やタバコの栽培が盛んです。

剣南春

綿竹市は、中国を代表する白酒「剣南春」の産地として有名です。唐代には宮廷にも献上されたという歴史を持ち、現在でも中国国内外で広く愛されています。

綿竹年画

綿竹市は、中国の伝統的な民衆芸術である「年画」の産地としても知られています。綿竹年画は、天津の楊柳青年画、蘇州の桃花塢年画、濰坊の楊家埠年画と並び、中国「四大年画」と称されています。その特徴は、鮮やかな色彩、安定感のある構図、そして写意的な表現です。

行政区画

綿竹市は、2つの街道と9つの鎮から構成されています。

街道: 剣南街道、紫岩街道
鎮: 九竜鎮、漢旺鎮、麓棠鎮、広済鎮、玉泉鎮、新市鎮、孝徳鎮、富新鎮、什地鎮、清平鎮

文化

綿竹市は、三国時代の武将である秦宓や、戊戌の変法を行った官僚の一人である楊鋭を輩出しています。

教育

四川警安職業学院

交通

高速道路
成万高速道路
省道
105省道

健康・医療・衛生

綿竹市人民医院
綿竹市人民医院分院
綿竹市漢旺人民医院

関連項目

四川料理
四川盆地、成都平原
四川大地震、四川地震 (2013年)
成渝経済区
在重慶日本国総領事館（管轄区域：重慶市・四川省・雲南省・貴州省）

外部リンク

綿竹市人民政府

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