総持寺 (茨木市)

総持寺（そうじじ）

総持寺は、真言宗高野山に属する寺院で、大阪府茨木市に位置しています。山号は補陀洛山で、本尊には神秘的な姿を持つ千手観音が祀られています。この寺は西国三十三所巡礼の第22番札所としても有名です。開基である藤原山蔭は新たな料理作法である四条流庖丁道を定めたため、特に料理人たちからの信仰を集めています。

本尊の真言は「おん ばざら たらま きりく そわか」であり、総持寺の信仰が深まる中で、さまざまな信者に受け入れられてきました。また、ご詠歌も親しまれ、「おしなべて老いも若きも総持寺の　佛の誓い頼まぬはなし」という形で、世代を超えた信仰の深さを表しています。

歴史

総持寺の創建には伝説が残っており、助けた亀が恩返しをしたことに関連する霊験譚があります。これに関しては、寺の所蔵する縁起絵巻や『今昔物語集』にも記録されています。その伝説によると、藤原山蔭の父である藤原高房が、漁師たちが捕らえていた大亀を「観音様の縁日だから」と言って救ったことが、後に大きな奇跡を呼び寄せました。亀は夜、山蔭を助けに現れ、高房の祈りが届いたのです。

この奇跡を受けて、藤原山蔭はその感謝の印として観音像を建立し、それが総持寺の始まりだというのが寺の歴史です。元慶3年（879年）頃に創建され、山蔭の三回忌には伽藍が完成したと伝えられています。歴史の中で、寺は天正年間（1573年 - 1593年）に織田信長の兵火に遭遇し、衰退しましたが、慶長8年（1603年）には豊臣秀頼の手により本堂が再建され、境内の復興が進みました。

本尊と境内

秘仏本尊である木造千手観音立像は、像高75.4 cmであり、亀の背に乗る姿が特徴的です。脇侍として善女竜王像と雨宝童子像が配置されています。境内には多くの文化的価値を持つ建物があります。中でも本堂は茨木市の指定有形文化財に登録されており、慶長8年に豊臣秀頼によって再建されました。他にも、薬師金堂、如来荒神堂、経蔵、鎮守社など、重要な価値を持つ建築物が存在します。

特に鎮守社では、大黒天や弁財天、青面金剛が祀られていて、訪れる人々に信仰を集めています。さらに、十三重石塔や普悲観音堂、仁王門といった様々な構造物が境内を彩り、訪れる人々に静けさと信仰の深さを感じさせる環境を提供しています。

文化財と行事

総持寺は多くの文化財を抱えており、茨木市によって指定されたものだけでも本堂や薬師金堂、仁王門など、合計9棟に及びます。また、絵画や歴史資料も指定されており、特に総持寺縁起絵巻はその美しさと歴史の重要性から注目されています。

行事としては、毎年4月18日に行われる山蔭流包丁式が有名で、また4月15日から21日には本尊の御開扉が行われ、西国御砂踏も執り行われます。

アクセスと拝観情報

総持寺へのアクセスは、JR京都線の総持寺駅または阪急京都本線の総持寺駅から徒歩5分と非常に便利です。開門時間は午前6時から、閉門は午後5時までとなっており、納経受付は午前8時から午後5時までです。

総持寺はその歴史的背景や美しい建築、豊かな信仰活動によって、多くの人々に親しまれ続けています。

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