多胡郡

多胡郡（たごぐん）

多胡郡は、かつて群馬県に存在した郡です。711年に設置され、1896年に多野[[郡]]へと統合される形で消滅しました。ここでは、その歴史と変遷について詳しく見ていきましょう。

郡域

多胡郡は、1878年に行政区画として発足した当時、以下の地域を郡域としていました。

現在の高崎市の一部（旧吉井町域のうち、上奥平、下奥平、岩崎、坂口を除く）
藤岡市の一部（上日野、下日野）

歴史

古代

多胡郡は、711年に上野国に設置されました。『続日本紀』や多胡碑には、その設置に関する記述が残っています。

郷

『多胡碑』には、以下の郷の名前が記されています。

織裳郷（おりもごう）：現在の高崎市吉井町長根付近
韓級郷（からしなごう）：現在の高崎市吉井町神保付近
矢田郷（やたごう）：現在の高崎市吉井町矢田付近
大家郷（おおやけごう）：現在の高崎市吉井町池付近
武美郷（むみごう）：現在の高崎市吉井地区の南東地域付近
山部郷（やまべごう）：現在の高崎市山名町付近

これらの郷は、もともと甘楽[[郡]]、緑野郡、片岡郡に属していました。

近代以降の沿革

1868年、新政府は岩鼻陣屋に岩鼻県を設置し、幕府領や旗本領を管轄しました。その後、吉井[[藩]]の廃藩を経て、多胡郡は岩鼻県の管轄となります。1871年の廃[[藩置県]]により、小幡県の管轄となりましたが、同年の府県統合により群馬県（第1次）の管轄となりました。その後、熊谷県を経て、1876年に群馬県（第2次）の管轄となっています。

1878年、郡区町村編制法の施行により、多胡郡は行政区画として発足。「緑野多胡南甘楽[[郡]]役所」が設置され、緑野郡、南甘楽[[郡]]とともに管轄されることになりました。1882年には、吉井村と川内村が合併して吉井町となり、1町25村となりました。1889年の町村制施行により、吉井町、多胡村、入野村、日野村の1町3村が発足しました。

1896年、郡制施行のため、「緑野多胡南甘楽[[郡]]役所」の管轄区域が多野[[郡]]となり、多胡郡は廃止されました。

明治初年の支配

「旧高旧領取調帳」によると、明治初年時点での多胡郡の支配状況は以下の通りです。

幕府領：関東在方掛の岩鼻陣屋が管轄
旗本領
寺社領

行政区画の変遷

1868年：岩鼻県設置
1870年：吉井[[藩]]廃藩、岩鼻県管轄
1871年：小幡県管轄、群馬県（第1次）管轄
1873年：熊谷県管轄
1876年：群馬県（第2次）管轄
1878年：多胡郡発足、「緑野多胡南甘楽[[郡]]役所」設置
1882年：吉井町成立
1889年：町村制施行、吉井町、多胡村、入野村、日野村成立
1896年：多野[[郡]]発足、多胡郡廃止

行政

多胡郡は、緑野郡、南甘楽[[郡]]と共に「緑野多胡南甘楽[[郡]]役所」によって管轄されていました。

脚注

[脚注の記述]

参考文献

「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典』 10 群馬県、角川書店、1988年6月1日。ISBN 4040011007
旧高旧領取調帳データベース

関連項目

消滅した郡の一覧
多野[[郡]]

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