羅卿瑗

羅卿瑗：韓国の保守派政治家の軌跡

羅卿瑗（ナ・ギョンウォン）は、韓国を代表する政治家の一人です。ソウル大学法科大学卒業後、司法試験に合格し、判事としてキャリアをスタートさせました。釜山、仁川、ソウル行政法院で計7年半にわたって判事として勤務した経験を持ちます。

政治家としてのキャリア

羅卿瑗の政治活動は、2002年、ハンナラ党（現・国民の力）の李会昌大統領候補の女性特別補佐官に就任したことから始まりました。2004年の国会議員選挙で当選を果たして以来、現在まで韓国政界の中枢を担ってきました。国会議員として、第17、18、19、20、22代に選出されています。

2011年のソウル市長補欠選挙では、保守系候補として立候補しましたが、朴元淳氏に敗れました。その後も、女性初の外交統一委員長（2015年2月～）や自由韓国党（現・国民の力）の院内代表（2018年12月～2019年7月）など、要職を歴任しています。

尹錫悦政権下では、大統領直属の低出産・高齢社会委員会副委員長兼気候環境大使を務めていましたが、2023年1月に辞任しました。2024年の第22代総選挙では、国民の力の共同選対委員長として、銅雀区乙選挙区から出馬予定です。

対日関係における発言と行動

羅卿瑗は、対日関係においても強い発言を繰り返してきました。2015年には日本を訪問し、複数の国会議員と会談。慰安婦問題や竹島問題について、日本政府の対応を批判し、より積極的な対応を求めています。

特に、2016年には「国会独島訪問団」の団長として竹島を訪問し、日本政府の抗議を無視する形で独島警備隊を激励しました。こうした行動は、韓国国内では肯定的に受け止められる一方で、日本政府からは強い反発を招いています。

政治的立場と批判

羅卿瑗は、文在寅政権に対しては一貫して批判的な立場を取ってきました。その強硬な姿勢から、与党や革新派からは「親日派」とみなされ、「安倍首相の首席報道官」や「ナベ（羅と安倍をかけた造語）」といった批判の対象にもなっています。

一方、2019年には国会で文在寅大統領を「金正恩の首席報道官」と発言し、大きな物議を醸しました。また、選挙制度改革法案をめぐる抗議活動でくまモンの靴下を履いていたことが「親日」と批判されたこともあります。

個人的なエピソード

羅卿瑗の祖父は全羅南道霊岩郡、父親は忠清北道永同郡出身であり、本人はソウル出身です。夫は判事であり、ダウン症候群の娘がいます。ソウル大学法科大学82学番の同級生には曹国がおり、曹は羅について「社会問題に関心がない模範生」と評した対談録も残されています。2020年の総選挙の際、「民主党が私を殺しに出た」と発言したことも話題となりました。

まとめ

羅卿瑗は、判事としての経験と、韓国政界での長年の活動を通して、独特の政治的立場を築き上げてきました。保守派として知られ、対日関係においては強硬な姿勢を示す一方、国内政治においては激しい論争を巻き起こすことも少なくありません。彼女の今後の活動が、韓国政治の行方にどのような影響を与えるのか、注目が集まっています。

もう一度検索