航空支援隊

航空支援隊について

航空支援隊（Air Support Operations Squadron：ASOS）は、福岡県築上町の築城基地に所在する航空戦術教導団の直轄部隊であり、航空自衛隊で唯一の空地作戦部隊です。

任務と役割

主な任務は、陸上自衛隊などの地上部隊との協同作戦における統制や、協同作戦に関する教育です。具体的には、以下の様な役割を担っています。

爆撃誘導: 味方戦闘機に対し、攻撃目標への飛行経路や爆弾投下のタイミングを指示する。
火力・空域の統制: 地上部隊との協同作戦において、火力や空域の調整を行う。
統合末端攻撃統制（JTAC）: 部隊内には、高度な専門知識と技能を持つJTACの隊員も所属している。
協同作戦の調査研究: 協同作戦に関する調査研究を行い、その成果を訓練や教育に反映させる。
教育: 航空自衛隊だけでなく、陸上自衛隊・海上自衛隊の隊員に対して、航空支援活動（FAC＝前線航空管制）などの技術を教育する。


これらの活動を通じて、航空自衛隊と地上部隊との連携を円滑にし、作戦遂行能力の向上に貢献しています。

特徴

少数精鋭: 編成規模は「隊」ですが、隊員数は少数です。しかし、警備射撃訓練、水泳訓練、車両操縦訓練など、様々な訓練を日々実施しています。
連携: 航空戦術教導団隷下の基地警備教導隊との共同訓練を重ねるほか、航空救難団及び救難[[教育隊]]の支援のもとでラぺリング降下の訓練も行います。また、陸上自衛隊特殊作戦群との技術交流に関する協定を結び、陸上自衛隊富士学校などへの教育支援も行っています。
日米共同演習: 練成訓練では、毎年日米共同演習に参加し、実戦的な訓練を行っています。

教育課程

航空支援隊では、以下の教育課程を実施しています。

協同戦術課程: 操縦士や空地作戦に関わる幹部自衛官を対象とした教育課程です。空地作戦、陸海空での各作戦、航空支援組織の概論、図上研究、装備の運用、体育、実習など、多岐にわたる教育を行います。教育期間は約10～11週間です。
終末誘導員講習: 終末誘導に従事する者と従事予定者を対象とした講習です。近接航空支援等に係る終末誘導員として必要な知識と技能を修得させます。教育期間は約6週間です。

沿革

航空支援隊は、以下のような変遷を経て現在に至っています。

1967年9月: 第4航空団飛行群（松島基地）に前身となる「空地作戦講習教育班」が発足。
1985年: 第3航空団飛行群（三沢基地）に「航空支援隊」として創設。
2014年8月1日: 航空戦術教導団隷下に隷属換え。
2021年: 三沢基地から築城基地へ移転。

主要幹部

隊長は2等空佐が務めています。

装備

2024年11月24日の築城基地航空祭での展示にて確認された主な装備は以下の通りです。

高機動車
64式7.62mm小銃
ブーニーハット
ハイカットヘルメット
プレートキャリア
DAGR
MarkVII（測距機器）
PRC-6809（無線機）
GLTD-III（誘導レーザー照射機器）
HF無線機

関連情報

前線航空管制（FAC）： 航空支援隊の重要な任務の一つです。
統合末端攻撃統制官（JTAC）： 航空支援隊に所属する専門家です。
第24特殊戦術飛行隊： 航空支援隊と連携する部隊です。
水陸機動団特科大隊火力誘導中隊： 陸上自衛隊の水陸機動団に所属する部隊で、航空支援隊と連携する可能性があります。


航空支援隊は、航空自衛隊における空地作戦の中核を担う重要な部隊です。少数精鋭ながら、高い能力と連携力で、日本の防衛に貢献しています。

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