花岡千春

花岡千春（はなおか ちはる）は、1953年4月20日生まれの日本のピアニストです。

経歴

長野県松本市出身で、東京芸術大学器楽科ピアノ専攻を卒業、同大学院ピアノ専攻科を修了しました。学生時代からNHK-FM放送や毎日新聞社主催の「毎日ソリステン」などに出演し、安川加壽子に師事しました。

大学院修了後、フランスへ留学し、パリのエコールノルマル音楽院でアルフレッド・コルトーの弟子であるジャン・ミコーに師事しました。翌年には演奏家資格試験で審査員全員一致の首席で卒業し、同音楽院のアシスタントとして後進の指導に当たりながら、ヨーロッパ各地で演奏活動を行いました。その後、イタリアに移住し、アルフレード・カゼッラの弟子であるピエロ・グワリーノのもとで、古典イタリア音楽、近現代フランス、イタリア音楽の研究を深めました。

フィナーレ・リグレ国際コンクールやマリオ・ザンフィ・リスト国際ピアノコンクールなど、数々の国際コンクールで上位入賞を果たしています。

帰国後は、ソロリサイタルを中心に、室内楽や声楽家との共演、録音、放送など幅広い活動を行っています。特に、日本の洋楽受容期から第二次世界大戦に至るまでの邦人ピアノ作品の研究と演奏に力を入れており、この時期の作品のCD録音も多数あります。テーマ性を持たせた独奏会は毎回高い評価を得ており、1999年の『パリ、祝祭と狂乱の1920年代』は文化庁芸術祭音楽部門大賞を受賞しました。また、2011年発売のCD「日本の変奏曲」では、平成23年度(第66回)文化庁芸術祭賞レコード部門優秀賞を受賞、2012年11月には松本市文化芸術大賞を受賞しています。

これまでに、『1930年代のパリ、二つの大戦の狭間で』や『1930年代日本のピアノ曲の夕べ』、エリック・サティ「ソクラテス」、リカルド・ヴィニェスの独奏会など、様々なテーマで演奏会を開催してきました。特に、ポリニャック公爵夫人邸での3つの演奏会を再現した『ポリニャックのサロンで』や、『サン=サーンスピアノトリオの夕べ』、『タンスマンを讃えて』、『プルーストの音楽を求めて』など、意欲的なプログラムで知られています。また、別宮貞雄の室内楽作品を網羅した全二夜の『別宮貞雄室内楽作品の夕べ』、コルンゴルトを讃えた演奏会、全三夜にわたるプーランクの独奏曲演奏会、『タイユフェールの夕べ』、『フランス鍵盤音楽の系譜』など、幅広いレパートリーで聴衆を魅了しています。

演奏活動と並行して、各地のコンクール審査員も務めており、2002年からは文部科学省の新進芸術家海外派遣選考委員も務めています。秋田大学助教授を経て、国立音楽大学で学部と大学院の教授、副学長、理事を歴任し、現在は特任教授として後進の指導にあたっています。

ディスコグラフィー

「木の葉集～信時潔 ピアノ曲全集」(ベルウッドレコード 2004年9月)
「子供のために/花岡千春 タンスマンを弾く」(ベルウッドレコード 2006年4月)
「花林/雨の道〜橋本國彦、信時潔、畑中良輔 ピアノ作品集〜」(ベルウッドレコード 2007年2月)
「清瀬保二 ピアノ独奏曲全集」(ベルウッドレコード 2008年6月)
「フランスの花々〜花岡千春 タイユフェールを弾く」(ベルウッドレコード 2008年9月)
「日本のソナチネ 」(ベルウッドレコード 2009年9月)
「水色のワルツ〜ピアノがうたう昭和の流行歌」(ベルウッドレコード 2010年6月)
「日本の変奏曲」(ベルウッドレコード 2011年9月) レコード芸術 2011年12月号特選盤、平成23年度(第66回)芸術祭賞レコード部門優秀賞受賞。
「日本の舞曲」(ベルウッドレコード 2012年8月)
「日本のシネマ〜映画音楽作曲家のピアノ曲」(ベルウッドレコード 2013年9月)
「チェレプニン コレクション ピアノ曲集 花岡千春」(ベルウッドレコード 2014年9月)

著書・楽譜

楽譜「信時潔 ピアノ曲集」(春秋社 復刻版校訂2005年7月)
著書「ピアノを弾くということ。」(フィルムアート社 2007年6月)
楽譜「畑中良輔 前奏曲/花林」(音楽之友社 編曲、校訂 2010年2月)

外部リンク

花岡 千春（はなおか ちはる）［国立音楽大学 - くにたちおんがくだいがく］ - 国立音楽大学
花岡 千春（はなおか ちはる）［新演奏家協会 - しんえんそうかきょうかい］ - 新演奏家協会
Bellwoodrecords オフィシャルサイト - ウェイバックマシン
春秋社 (しゅんじゅうしゃ) − 信時 潔 作品集
* CDジャーナルデータベース - 試聴記

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