若草物語 (テレビドラマ)

1968年版『大丸名作劇場』

1968年4月4日から6月27日まで、全13回で放送された『若草物語』は、日活が制作を担当しました。同年に公開された映画版で主演を務めた芦川いづみが再び主演を務めましたが、映画版とは大きく異なる内容で展開されました。物語は、テキスタイルデザイナーの長女・丹崎かすみを中心に、料理学校助手の次女・花、大学生の三女・雪、高校生の四女・きりの四姉妹が織りなす人間模様を描いています。

キャスト

丹崎かすみ：芦川いづみ（四姉妹の長女、テキスタイルデザイナー）
丹崎花：山本陽子（四姉妹の次女、料理学校の助手）
丹崎雪：伊藤るり子（四姉妹の三女、大学生）
丹崎きり：川口晶（四姉妹の四女、高校生）
佐分利信：四姉妹の父親、パイロット
加藤治子：四姉妹の母親
古垣健司：川地民夫（花の友人、カメラマン）
山上宏：青山恭二（ダム設計士、かすみに好意を持つ）
小池こうたろう：藤竜也（室内装飾家、かすみの見合い相手だったが、花と交際を始める）
殿村りゅうた：中山仁（山上の同僚）
えい子：鳳八千代（四姉妹の叔母、スナック『ほそくら』のオーナー）
佐良直美：雪のペンフレンド
工藤堅太郎：その兄、信州で牧場を経営
なべおさみ：魚屋『魚徳』の若旦那
田所：益田喜頓（近所に孫と暮らす老人）
マイケル：山川ワタル（その孫、英国と日本のハーフ）
武智豊子：田所家の家政婦
佐久間やす子：瞳麗子（かすみの高校時代の友人）
藤間紫：古垣の姉、伊豆熱川のホテルの女将

サブタイトル

四月の風、女の顔、蜜蜂、友情の栞、めぐり逢い、われらライバル、スピカの君、娘の願い、おかしな奴、千羽のアヒル、愛日、新しい旅、歓びの歌

スタッフ

原作：ルイーザ・メイ・オルコット
脚本：田井洋子、向田邦子、窪田篤人
監督：白鳥信一、遠藤三郎、堀池清
プロデューサー：亀井欽一
監修：西河克己
音楽：いずみたく
主題歌：「若草の恋」（歌：佐良直美）
作詞：岩谷時子／作曲・編曲：いずみたく
制作：日活、MBS

このドラマは、四姉妹それぞれの個性と成長を丁寧に描き出し、当時の視聴者に大きな感動を与えました。

1973年版『ライオン奥様劇場』

1973年8月6日から9月14日まで放送された『ライオン奥様劇場』版は、カラー作品として全30回で放送されました。この作品では、原作の舞台を南北戦争時代のアメリカから、放送当時の現代日本に置き換えるという大胆な翻案がなされました。宗教的な要素が取り除かれるなどの変更が加えられましたが、四姉妹の性格設定は原作に忠実に踏襲されました。次女・陽子の視点を通して、家族愛、恋愛、結婚問題などが描かれた青春ホームドラマです。

物語

旅行会社に勤める22歳の次女・陽子は小説家を目指しています。長女のさつきは小学校教師で結婚間近、三女の悦子は大学生、四女の千恵子は高校生。父は僻地医療のため九州におり、母が看病で家を離れたことで、姉妹は経済的に苦しい生活を強いられます。陽子には恋人・隆がいましたが、妹の悦子も隆を慕っていることを知り身を引こうとします。そんな中、陽子は女性週刊誌の懸賞小説に入選しますが、編集長に文学は金のためにするものではないと叱責され、反発しつつも次第に編集長の人柄に惹かれていくという物語です。

キャスト

三田陽子：田島令子（原作のジョーに相当）
三田さつき：倉野章子（原作のメグに相当）
三田悦子：林靖子（原作のベスに相当）
三田千恵子：永野裕紀子（原作のエイミーに相当）
三田秀一郎：北村和夫（父親）
三田はつ江：津島恵子（母親）
古賀喩：和崎俊哉（原作のローリーに相当）
田崎ふみ：佐々木すみ江
杉町二郎：高津住男
岩城隆：真山譲次
岩城卓造：宇佐美淳也
久保：西本裕行
水沢：頭師孝雄
田崎みどり：松井紀美江
江口由美子：堀井永子
片桐早苗：田中真規子
野地：響龍次

スタッフ

原作：ルイーザ・メイ・オルコット
脚本：加瀬高之
監督：丸山誠治、岩内克己、日高武治
音楽：佐藤勝、福井甫
プロデューサー：内海一晃（エコー）、北島正巳（フジテレビ）
* 制作：エコー・フジテレビ

このドラマは、現代的な視点から家族の絆や女性の生き方を描き、多くの視聴者の共感を呼びました。

2024年版『若草物語-恋する姉妹と恋せぬ私-』

2024年10月期には、日本テレビ系で『若草物語-恋する姉妹と恋せぬ私-』が放送される予定です。主演は堀田真由が務めます。この作品が、どのように現代の視点から『若草物語』を描くのか、放送開始が待たれます。

各ドラマ版は、原作の持つ普遍的なテーマをそれぞれの時代背景に合わせて再解釈し、新しい魅力を引き出しています。それぞれの作品は、単なる翻案に留まらず、その時代ごとの社会状況や価値観を反映した、独自の作品として評価されるべきでしょう。

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