荒川 (栃木県)

荒川（あらかわ）

荒川は、栃木県北東部を流れる那珂川水系の一級河川であり、その源を高原山系の釈迦ヶ岳に発します。上流部は日光国立公園に指定されており、豊かな自然が残されています。また、那珂川との合流地点は那珂川県立自然公園に指定されており、流域全体が自然に恵まれた地域です。

地理

荒川は、栃木県塩谷郡塩谷町を起点とし、南東方向に流れます。矢板市南部を東に流れ、さくら市で内川と合流します。その後、那須烏山市で蛇行を繰り返しながら南東に進み、市貝町をかすめて那須烏山市向田で江川と合流し、最終的には那珂川へと注ぎ込みます。この川の名称「喜連川」は、荒川を指すという説も存在します。

自然

荒川の支流である尚仁沢には、全国名水百選に選ばれた尚仁沢湧水が存在します。この地域は、尚仁沢自然環境保全地域として、ブナやミズナラの天然林が保護されており、カモシカ、オコジョ、ハコネサンショウウオ、モリアオガエルなどの貴重な生物が生息しています。また、東荒川流域は水源かん養保安林や自然環境保全地域に指定されており、水源の森百選にも選定されています。さらに、栃木県民の森は森林浴の森100選に選ばれるなど、荒川上流域は自然の宝庫と言えるでしょう。

治水

荒川流域では、過去に幾度も水害が発生しています。特に昭和初期の台風による被害は甚大で、近年でも、1986年や平成10年、平成14年の豪雨により、警戒水位を超える洪水が発生しています。令和元年にも台風19号により氾濫が発生しました。これらの水害対策として、上流には西荒川ダム（東古屋湖）と東荒川ダムが建設され、河川改修工事も行われています。計画高水流量は毎秒1,500立方メートルで設計されており、それを上回る水量に対しては、ダムによって調整されています。

流域の自治体

荒川の流域には、以下の自治体が含まれます。

栃木県
塩谷郡塩谷町
矢板市
さくら市
那須烏山市
芳賀郡市貝町

高原山水源の森

高原山西南麓に広がる森林は、高原山水源の森として水源の森百選に選ばれています。この森は、尚仁沢湧水の水源林でもあり、計画的な森林管理が行われています。周辺にはキャンプ場や県民の森が整備されており、多くの人が野外活動や森林浴を楽しんでいます。

所在地

栃木県塩谷郡塩谷町大字上寺島字荻の目境1614

支流

荒川には、以下の支流があります。

西荒川
内川
宮川
中川
金精川
江川

河川施設

荒川水系には、以下の河川施設が存在します。

東荒川ダム（荒川）
西荒川ダム（西荒川）
寺山ダム（宮川）
塩田ダム（簗目川）

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