荒川橋 (関越自動車道)

荒川橋（関越自動車道）

荒川橋は、埼玉県深谷市黒田と同市畠山の間に位置し、荒川を跨ぐ関越自動車道の重要な橋梁です。この橋は、首都圏と地方を結ぶ大動脈の一部として、日々の交通を支えています。

概要

荒川橋は、荒川の河口から88.8kmの地点に位置し、総延長は532.448メートルに及びます。上下線ともに総幅員は15.4メートル、有効幅員は13.75メートルで、最大径間長は65.5メートルです。渡河区間は8径間、陸上部は2径間で構成されており、PC連続箱桁橋（一部RC連続床桁）として設計されています。

橋の路面には、2パーセントの横断勾配と0.5566パーセントの縦断勾配が設けられ、橋軸は河川の河道に対してほぼ直角に交わっています。橋の前後は築堤によって接続されています。また、荒川橋は埼玉県の第一次特定緊急輸送道路に指定されており、災害時などの緊急時における重要な役割を担っています。管理は東日本高速道路（NEXCO東日本）が行っており、高速道路の橋梁であるため、歩行者の通行は想定されていません。

諸元

橋格：1等橋（TL-20、TT-43）
形式：プレストレスト・コンクリート道路橋
橋長：532.448 m
最大支間長：65.500 m
総幅員：15.400 m ×2
有効幅員：13.750 m ×2（設計6車線）
基礎：直接基礎
着工：1975年（昭和50年）12月（上部工）
竣工：1978年（昭和53年）
開通：1980年（昭和55年）7月17日

建設

橋梁の選定にあたっては、施工性、経済性、走行性が考慮されました。基礎条件として、橋の地盤が第三紀層に属する砂岩・泥岩層で構成されており、地質が良好であったため、直接基礎を用いたPC連続箱桁橋が採用されました。

荒川橋は、関越自動車道の延伸工事において、資材運搬のために他の区間に先駆けて建設されました。下部工（橋台、橋脚）は1974年（昭和49年）に竣工し、橋脚フーチングの天端高は最低河床高に対して2.0メートルとされました。

上部工の施工は1975年（昭和50年）12月に開始され、20ヶ月の工期を経て1977年（昭和52年）8月に完成しました。施工はピーエスコンクリート（現日本ピーエス）とオリエンタルコンクリート（現オリエンタル白石）の共同企業体によって行われました。高水敷の2径間連続箱桁にはフレシネー工法が、低水路の3径間連続箱桁にはディビダーク工法が採用されました。

開通後の運用

橋の完成後には、開通前に走行試験が行われ、低周波空気振動による環境への影響調査も実施されました。開通当初は内側2車線がゼブラゾーンで規制され、暫定4車線で運用されましたが、1994年（平成6年）3月30日に6車線化されました。

1999年（平成11年）11月には、橋の耐震補強工事が実施されました。2005年（平成17年）10月1日の日本道路公団民営化に伴い、管理は東日本高速道路（NEXCO東日本）に引き継がれました。

開通当時は花園町と川本町を結ぶ橋でしたが、2006年（平成18年）1月1日の市町村合併により、両岸とも深谷市となりました。渋滞緩和のため、隣接するインターチェンジの加速車線および減速車線の延伸に伴い、2016年（平成28年）より橋の拡幅工事が実施され、2018年（平成30年）に供用が開始されました。

周辺

橋の周辺は主に農地ですが、上流側にはアイリスオーヤマなどの工場が点在しています。右岸側近傍の国道140号バイパス沿いには、花園インターチェンジから道の駅はなぞのにかけてロードサイド店舗街が形成されています。花園インターチェンジ周辺はサグ部であり、渋滞が発生しやすいため、対策が講じられています。付近の荒川には、埼玉県の指定天然記念物である「青岩礫岩」が、橋の上流側に位置しています。

また、下流側には1938年（昭和13年）頃まで「黒田の渡し」が存在し、上流側には鎌倉街道上道の渡河地点である川越岩があり、1947年（昭和22年）頃まで「赤浜の渡し」がありました。

隣の橋

荒川
上流：玉淀大橋 - 花園橋 - 荒川橋
下流：荒川橋 - 重忠橋 - 荒川第二水管橋

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