菅田町

菅田町（すがたちょう）

菅田町は、かつて岐阜県武儀郡に存在した町です。1955年（昭和30年）に周辺町村との合併により益田郡金山町の一部となり、現在は下呂市の一部となっています。現在の地名では、下呂市金山町菅田笹洞、下呂市金山町菅田桐洞が該当します。

地理

町の中心部は、飛騨川の支流である菅田川の上流に位置しています。古代には、美濃国と飛騨国を結ぶ東山道の支路（飛騨街道）がこの地を通過しており、交通の要衝として機能していました。飛騨街道は、美濃国方県郡から武儀郡・加茂郡を経由し、再び武儀郡を通るルートで、菅田町には駅（菅田駅）が設けられていたと考えられています。

歴史

古代

776年（宝亀7年）には、『続日本紀』に美濃国菅田駅の名前が登場します。平安時代には、『和名類聚抄』に武芸郡九郷の一つとして菅田郷の名が見られます。13世紀には、美濃国衙領や後宇多天皇領、昭慶門院領に含まれていた記録があり、この地域が重要な場所であったことがうかがえます。

中世

14世紀以降、美濃国守護土岐氏の支配下に入り、戦国時代には上有知鉈尾山城主の佐藤方政の領地となりました。1600年頃には、上有知藩主金森長近の領地となり、その後、幕府領、尾張藩領と支配者が変わっていきました。

近世

江戸時代に入ると、桐洞は初め切原、後に霧原、そして桐洞村と呼ばれるようになり、笹洞は篠洞から笹洞村へと変化しました。1871年（明治4年）の廃藩置県により、桐洞村と笹洞村は名古屋県を経て岐阜県に編入されました。

近代

1889年（明治22年）に笹洞村と桐洞村が合併し、沙田村が誕生しました。その後、1893年（明治26年）に菅田村に改称し、1896年（明治29年）には町制を施行して菅田町となりました。

1955年（昭和30年）には、益田郡下原村、郡上郡東村、武儀郡金山町との合併により、益田郡金山町が発足し、菅田町は廃止されました。

産業

菅田町は、飛騨街道沿いの商業の町として栄え、養蚕業、製茶業、鉱業が盛んでした。飛騨川沿いのルートが開通するまでは、この地域が美濃国と飛騨国を結ぶ重要な交通路でした。

教育

町内には菅田町立菅田小学校と菅田町立菅田中学校がありました。小学校は後に下呂市立菅田小学校となりましたが、2021年3月に閉校しました。中学校は1962年に統合により廃校となっています。

名所・旧跡

嶽見桜
袋坂峠
水晶山
須波神社
笹洞白山神社
義民助兵衛の碑

その他

益田郡金山町は、3つの郡（益田郡、武儀郡、郡上郡）に属する4つの町村が合併して誕生した珍しい経緯を持っています。合併後の郡の所属については、武儀郡と益田郡の間で議論があったとされています。

脚注

金山町誌編纂委員会 『金山町誌』 下呂市、1975年、2005年復刻

関連項目

岐阜県の廃止市町村一覧

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