藤原公清

藤原公清（ふじわら の きんきよ）は、平安時代後期から鎌倉時代前期にかけての公卿で、滋野井実国（しげのい さねくに）の次男として生まれました。八条または風早二位と号し、官位は従二位・参議にまで昇りました。左中将とも呼ばれています。

経歴

嘉応2年（1170年）に5歳で従五位下に叙爵されたのが、公清の記録における初見です。治承3年（1179年）には昇殿を許され、治承4年（1180年）には左衛門佐に任じられました。養和2年（1182年）には従五位上に昇叙するなど、若くして順調な昇進を遂げています。

元暦2年（1185年）には従四位下・近江権介に叙任され、左近衛少将を経て、文治6年（1190年）には従四位上・駿河介に叙任されました。しかし、建久4年（1193年）には左近衛少将・平光盛と共に除籍されるという出来事がありました。その理由は定かではありません。建久9年（1198年）3月には石清水臨時祭の舞人を務め、同年11月には正四位下・近江介に昇進しています。正治2年（1200年）には東宮昇殿を許され、正治3年（1201年）には左近衛権中将に転じ、同年11月には賀茂臨時祭で祭使を務めました。

建仁2年（1202年）正月には加賀介を兼任し、同年3月の後鳥羽上皇の御幸の際には沓を献上しています。建仁3年（1203年）に従三位に叙せられ、ついに公卿の仲間入りを果たしました。建永2年（1207年）には正三位・参議に叙任されますが、その後の昇進は停滞しました。

建暦元年（1211年）に参議を辞退し、従二位に叙せられました。貞応2年（1223年）12月に出家し、安貞2年（1228年）に63歳で亡くなりました。

官歴

以下に『公卿補任』に記載された官歴をまとめます。

嘉応2年（1170年）正月5日：従五位下に叙す（女御琮子給）
治承3年（1179年）正月：昇殿を聴す
治承4年（1180年）正月30日：左衛門佐に任ず
養和2年（1182年）3月8日：従五位上に叙す（府労）
寿永2年（1183年）正月2日：服解（父）。2月11日：復任
元暦2年（1185年）正月24日：近江権介を兼ぬ。6月18日：従四位下に叙す
文治4年（1188年）8月：除籍
文治5年（1189年）7月10日：左近衛少将に任ず
文治6年（1190年）正月6日：従四位上に叙す。2月2日：駿河介を兼ぬ
建久4年（1193年）8月：除籍
建久9年（1198年）11月9日：近江介を兼ぬ。11月21日：正四位下に叙す（大嘗會国司賞）
正治2年（1200年）11月21日：東宮昇殿を聴す
正治3年（1201年）正月29日：左近衛権中将に転ず
建仁2年（1202年）正月21日：加賀介を兼ぬ
建仁3年（1203年）10月24日：従三位に叙す
建永2年（1207年）正月7日：正三位に叙す。4月10日：参議に任ず
建暦元年（1211年）10月11日：職を辞して従二位に叙す
貞応2年（1223年）12月：出家
安貞2年（1228年）10月11日：薨去。享年63

系譜

父：滋野井実国
母：源雅綱の娘
妻：源資賢の娘
男子：八条実俊（?-1237）
妻：家女房（?-1229）
男子：河鰭実隆（1203-1270）
生母不明の子女
男子：藤原実嗣
男子：実誉
男子：実秀
男子：実秋
男子：公方
男子：実増
* 女子：菊池能隆室

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