蘂取村

蘂取村（しべとろむら）について

蘂取村は、北海道根室振興局蘂取郡にある村で、日本の最北端に位置しています。ここは日本の北方領土の一部で、面積は広大ながら、現状では日本の施政権が及んでいないため、法的には存在する村と言えます。村名はアイヌ語の「シ・ペッ・オロ」から由来しており、「大きい川のところ」という意味です。北方領土の問題は複雑であり、詳しくは千島列島や北方領土問題に関する資料を参照することが勧められます。

地理

蘂取村は択捉島の東部、択捉海峡に面しています。この地域は留茶留原野を越えた高地に位置しており、険しい山々が連なっています。山の中には、標高が1200メートルを超える活火山の茂世路岳や神威岳、ラッキベツ岳があります。また、日本最北端のカモイワッカ岬や、最高落差140メートル以上のラッキベツの滝もここに存在します。夏になると平均気温は20度程度になり、暖かい日は海水浴を楽しむこともできます。村の中心集落である蘂取は、蘂取川の河口に位置し、島内で第三の集落として賑わいを見せています。他の集落は主に北西岸のオホーツク海側に集中しています。

主な山々

• - 神威岳（1,323m）
• - ラッキベツ岳（1,199m）
• - 茂世路岳（1,124m：活火山）
• - 乙今牛山（769.6m）
• - 蘂取岳（852.8m）

河川

• - 蘂取川（北方四島の中で最長、27.6km）

湖沼

• - 蘂取沼（2.71km²）

歴史

蘂取村の歴史は1869年にさかのぼり、北海道11国が設置された際に蘂取郡として成立しました。1883年には茂世路岳が噴火し、1983年からは根室市役所が村に関する戸籍事務を代行しています。村の歴史は多くの変化を経ており、近年はソ連軍が侵攻し、領有権を宣言後、多くの住民が樺太へ強制送還されました。

大日本恵登呂府の記念碑も立てられましたが、1945年以降はその存在を確認できていません。2003年には元住民が墓参りを行いましたが、現在も村はロシア人の集落「スラヴノエ」として存在するのみです。

経済

村の主な産業は漁業で、サケやマスの他にも、タラやカジカなど多種多様な海産物が取れます。また、地域の特産物は、昆布や千島海苔、馬の放牧などで、昔から漁業と関連した経済活動が行われてきました。

教育

蘂取村の教育の歴史は、1867年ごろに寺子屋が開設されたことに始まります。その後、公立尋常小学校が設立され、教育の質が向上しました。1945年以降は、戦争の影響による大きな変化があり、学校の跡地も残っていません。

現在の状況

現在、蘂取村は立ち入りが制限された地域となり、自然保護区としても指定されています。村へのアクセスも困難で、寂れた村となっているのが現状です。元住民の思い出や記憶は、地域に残されたことがありますが、物理的な痕跡はほとんどありません。

このように、蘂取村はその歴史や地理、経済を通じて多くの物語を持つ地区です。未来に向けても、地域の歴史や記憶を大切にしていくことが求められるでしょう。

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