虎尾串面

虎尾串面（ホミゴッめん）

虎尾串面は、大韓民国慶尚北道浦項市南区に位置する面であり、朝鮮半島における最東端の地、虎尾串を擁することで知られています。この地域は、迎日湾の東端に位置し、三方を海に囲まれた特徴的な地形をしています。南は九龍浦邑、南西は東海面と隣接しており、古今山の緑豊かな山林が広がる自然豊かな場所です。

産業

虎尾串面沖は、暖流と寒流が交わる絶好の漁場であり、多種多様な魚が回遊します。そのため、定置網漁業が非常に盛んです。主な水産物としては、サンマ、イカ、タラ、ブリ、サバ、ウニなどが挙げられます。また、ワカメ、テングサ、アワビなどの養殖も盛んで、これらの水産物を活用した缶詰や冷凍食品などの水産加工業も重要な産業となっています。

虎尾串は、韓国本土で2番目に早く日の出が見られる場所としても有名です（ちなみに最も早いのは蔚山の艮絶串です）。その美しい日の出は、崔南善によって「朝鮮十景」の一つにも数えられました。この景観を活かし、国立灯台博物館や日の出祭りなどの観光資源が開発されており、多くの観光客が訪れます。特に、1903年に建設された虎尾串灯台は、国内最大規模を誇り、慶尚北道記念物第39号に指定されています。また、海風が強いこの地には、2001年に風力発電機が設置され、試験運転が行われています。さらに、軍事的な要衝としても重要視されており、レーダー基地やミサイル基地が設置されています。

交通

虎尾串面内には、東海面から海岸沿いを通り九龍浦邑まで続く地方道第912号線（迎日湾環状道路の一部）が通っており、地域間の交通を支えています。

歴史

古代

虎尾串面の歴史は古く、三韓時代には辰韓12国の一つ、勤耆国の領域でした。三国時代には、新羅の斤烏支県（または烏良友県）となり、統一新羅時代には、景徳王16年（757年）に義昌郡の領県として臨汀県・鬐立県が置かれました。

中・近世

高麗時代には、顕宗9年（1018年）に慶州府に内属し、迎日県または延日県・長鬐県と改称されました。李氏朝鮮時代には、1789年に迎日県夫山面の大冬背・浦川・鼎足里、長鬐県北面の明月・浦川・大川・沙只・江琴里でした。その後、1832年に迎日県夫山面の大冬背・浦川里と長鬐県北面の沙只・浦川里に再編され、1871年には迎日県夫山面の鼎足・争川・九萬・浦川里となりました。1895年には、迎日郡東海面の大冬背・争川・九萬・鼎足里、長鬐郡北面の沙只・大川里となっています。

明宗朝の風水地理学者、南師古の『古山水秘録』には、朝鮮半島を虎の形に例え、その尾にあたる場所として虎尾嶝と称されています。

1901年9月9日には、東京水産講習所（現在の東京海洋大学）の実習船「快應丸」が遭難するという痛ましい事件が発生しました。この事件をきっかけに、1903年12月には虎尾串灯台が設立されることになりました。

日本統治時代

日本統治時代に入ると、1910年10月1日に延日郡東海面の大冬背・浄川・九萬・浦川洞、長鬐郡外北面の明月・江今・沙只・大川・浦川里となりました。1914年3月1日には、延日郡滄洲面江沙里（外北面の明月・江今・沙只里を統合）、大甫里（外北面の大川・浦川を統合）、延日郡東海面大冬背里（東海面の大冬背・浄川を統合）となりました。1914年4月1日には、朝鮮総督府令第111号により延日郡滄洲面江沙里・大甫里、東海面大冬背洞・九萬洞と定められました。1942年10月1日には、朝鮮総督府令第243号により滄洲面が九龍浦邑に昇格し、東海面の九萬里が九龍浦邑に編入されました。1945年3月9日には、九龍浦邑九萬1里74-1番地に大甫出張所が設置され、江沙・大甫・九萬里の3法定里を管轄することとなりました。

独立後

独立後、1976年10月4日に大甫出張所を大浦2里859-14番地に移転しました。1986年4月1日には、九龍浦邑の江沙・大甫・九萬里、東海面の大冬背里から大甫面が新設され（4法定里10行政里を管轄）、1988年4月1日に大甫面事務所を九萬1里47-6番地に移転しました。1995年1月1日には、法律第4796号により迎日郡が浦項市に統合され、浦項市南区大甫面へと改編されました。そして、2010年1月1日、浦項市条例第972号に基づき、虎尾串面へと名称が変更されました。

行政区域

現在の虎尾串面は、4つの法定里と10の行政里、18の自然部落、64の班から構成されています。

江沙里（カンサリ）：江沙1里、江沙2里、江沙3里
大甫里（テボリ）：大甫1里、大甫2里、大甫3里
九萬里（クマンニ）：九萬1里、九萬2里
大冬背里（テドンベリ）：大冬背1里、大冬背2里

脚注

もう一度検索