裴行倹

裴行倹の生涯と功績

裴行倹（はい こうけん）は、619年に生まれ、682年に亡くなった唐初の官僚や武将として知られる人物です。彼の由来は河東郡聞喜県にあり、父は裴仁基、兄は裴行儼で、正妻には陸氏（陸爽の娘）、また継室の厙狄氏との間に多くの子がいました。

学業と官職の初期

裴行倹は、科挙の明経科において合格し、657年に長安県の県令として任命されました。彼はその後、武則天を皇后にするという動きに反対し、西州都督府の長史として一時左遷されてしまいますが、その後も一線で活躍を続けます。

西域経営と功績

裴行倹は、西域の経営に注力し、665年には安西大都護に就任。彼は困難な状況でも果敢に取り組み、669年には吏部侍郎として官吏任用の才を発揮し、679年には礼部尚書に転任します。その間、特に西域の経営に関してさまざまな成果を挙げました。

676年には洮州道左二軍総管に任命され、吐蕃を攻撃し成功を収めました。さらに、678年に彼はサーサーン朝（ペルシア）の滅亡後、亡命していた卑路斯を送還するために西突厥を征討し、敵の首領を捕らえました。この時の成果を示すために、おそらく紀功碑を碎葉城に建立しました。翌年、彼は凱旋します。

東突厥討伐と最終的な勝利

680年には、定襄道行軍大総管として30万以上の大軍を指揮し、東突厥との戦闘に挑みました。この戦での彼の指導は見事で、681年の春には大勝利を収め、投降した敵の首領たちを捕らえて帰還します。彼はこのように多くの武勲を立て、初唐の名将として名を刻むこととなりました。

最後の時

裴行倹は、682年の4月に長安の延寿里の邸で病に倒れ、享年64でその生涯を閉じます。その後、彼は幽州都督に追贈され、献（けん）という諡号を与えられました。

文才と著作

また、裴行倹は書を得意としており、草書に秀でていたとされています。彼の文集は20巻にわたるもので、選譜なども著したと記録されていますが、これらの作品は現在では失われています。

伝記と資料

裴行倹に関する資料は、『贈太尉裴公神道碑』や『旧唐書』、『新唐書』に記載されています。また、彼の人物像は、2021年に放送された中国ドラマ「風起花抄～宮廷に咲く琉璃色の恋～」でも取り上げられています。

以上が裴行倹の生涯とその功績です。彼の業績は、唐代が栄え、発展する上で欠かせない要素となっていました。

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