西俣町 (鹿児島市)

鹿児島市西俣町

西俣町は、鹿児島県鹿児島市の北西部に位置する町です。旧郡山町の区域にあたり、神之川上流域の自然豊かな場所にあります。2020年4月1日現在の人口は495人、世帯数は258世帯です。

地理

西俣町は、神之川に沿って南北に細長く伸びた沖積平野に集落が点在しています。町の北から西にかけては郡山岳町、西には有屋田町、南には日置市伊集院町中川、東には小山田町、郡山町と接しています。町の中央部には県道40号線が東西に走り、北部には県道36号線が東西に通っています。

主な河川は神之川で、山岳としては鳶ヶ岡があります。

歴史

中世

西俣という地名は鎌倉時代から見られ、当時は薩摩国満家院に属していました。1233年の記録には満家院西俣村として登場し、税所義祐らが満家院司として、大蔵永平の娘の息子である栄尊に西俣村を付与するよう説得した記述が見られます。1247年には正式に菩薩房から栄尊に西俣村を含む5村が付与されました。

その後、1253年には栄尊から西俣などの惣領職が嫡子の祐範に、西俣名代官職が次男の弥三郎守忠に譲られました。弥三郎守忠は西俣村を領して西俣氏を称し、居城として聖城を築きました。

南北朝時代には、伊集院氏の勢力が西俣にも及び、1350年に西俣城は伊集院忠国によって落城し、伊集院氏の支配下に入りました。西俣氏は有屋田氏の家臣となり、その後、伊集院氏が島津氏に追われたことで、当地も島津氏の支配下となりました。

近世

江戸時代には、西俣は薩摩藩の郡山郷に属していました。村高は時代によって変動し、「天保郷帳」では746石余、「旧高旧領取調帳」では777石余となっています。1595年には西俣の一部が禰寝氏に与えられました。

西俣村には20を超える門があり、1769年には村検地が実施されました。

近代

明治時代に入ると、1872年に大区小区制が施行され、西俣村は第6小区となりました。1878年には西俣に小学校が設置されましたが、1885年に郡山小学校に統合されました。

1889年の町村制施行により、西俣村を含む6村が合併して郡山村となり、西俣は郡山村の大字となりました。1956年には郡山村が町制施行し、郡山町の大字となりました。

2004年、郡山町は鹿児島市に編入され、合併協議に基づき大字西俣は廃止され、新たに西俣町として発足しました。

文化

西俣町には、市指定の無形民俗文化財である「西俣の八丁杵踊り」があります。これはかつて諏訪神社に奉納されていた踊りで、現在は花尾神社の例祭で奉納されています。

施設

町内には、西有里研修館、霧島神社があります。

教育

西俣町は、鹿児島市立の小中学校の学区に属します。

交通

道路

• - 主要地方道：鹿児島県道36号川内郡山線、鹿児島県道40号伊集院蒲生溝辺線

バス

• - 鹿児島交通：56番 鹿児島駅～岳、57番 鹿児島駅～伊集院～串木野
• - 鹿児島市コミュニティバス（あいばす）：西俣・中心部コース

脚注

参考文献

• - 「角川日本地名大辞典」編纂委員会「角川日本地名大辞典 ４６ 鹿児島県」
• - 芳即正、五味克夫『日本歴史地名大系47巻 鹿児島県の地名』
• - 南日本新聞『鹿児島市史Ⅴ』
• - 郡山郷土史編纂委員会『郡山郷土史』
• - 鹿児島市「鹿児島市内の指定文化財等一覧表」

関連項目

• - 西俣町（曖昧さ回避ページ）

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