西安西関空港

西安西関空港は、かつて中華人民共和国陝西省西安市に存在した空港です。西安市の中心部から約5kmに位置していましたが、1991年に空港機能が西安咸陽国際空港に移転したため、現在は廃港となっています。

沿革

1924年4月3日：北京政府航空署中央航空支隊のビッカース ビミーが、河南省洛陽から飛来し、西安城西側の大営盤に着陸しました。これが西安における航空の始まりとされています。
1930年：大営盤に長さ800m、幅100mの滑走路が建設されました。当時の滑走路は芝生で覆われていました。
1932年3月：中国とドイツの合弁会社である欧亜航空が西安航空站を開設しました。当初は貨物や郵便輸送が主な業務でしたが、民間航空輸送や軍用機の離着陸も行われました。
1932年4月1日：欧亜航空は、ユンカース W 34を用いて上海-南京-洛陽-西安線を開設しました。これにより、西安は中国の航空ネットワークに組み込まれることとなりました。
1932年5月6日：欧亜航空は西安-蘭州間の郵便路線を開設しました。これにより、中国内陸部への航空輸送が拡大しました。
1932年5月18日：欧亜航空は上海-南京-洛陽-西安線を蘭州まで延長し、さらに輸送網を拡大しました。
1934年3月13日：欧亜航空は太原-西安線を開設し、山西省との接続も強化しました。
1935年9月13日：張学良が乗る波音号が武漢から西安に到着しました。これは、西安が政治的にも重要な場所であったことを示しています。
1935年9月：欧亜航空は成都-西安線を開設し、その後昆明まで延長しました。これにより、南西部との航空接続も確立されました。
1936年3月：欧亜航空は昆明-西安線を開設し、より広範囲なネットワークが形成されました。
1936年11月:国民政府は西安空港の拡張を指示しました。航空需要の増加に対応するための措置でした。
1936年12月25日：張学良は、西安事件発生後、当空港を利用して蔣介石を南京に緊急搬送しました。この出来事は、空港が重要な役割を果たしたことを示しています。
1937年8月21日：欧亜航空は上海から西安に拠点を移しました。これは、西安が航空の中心地として成長していたことを示しています。
1937年8月：欧亜航空は重慶-西安-蘭州線、漢口-西安線を開設し、路線網がさらに拡大しました。
1937年10月2日：陝西省政府は西安空港の拡張を指示し、空港の機能強化を図りました。
1937年11月30日：西安空港の拡張工事が完了し、長さ1,200m、幅50mの土の滑走路となりました。これにより、大型機も離着陸が可能となりました。
1937年11月：欧亜航空は西安から昆明に拠点を移しました。これにより、路線網の中心が変化しました。
1939年1月：欧亜航空は重慶-西安-蘭州-粛州（現酒泉）-ハミの路線を開設し、遠隔地への輸送も可能になりました。
1939年3月：中国航空は重慶-西安路線を開設し、競争が始まりました。
1943年3月：欧亜航空が中央航空と名称を変更しました。同時に、同航空会社の西安発着線は全て停止されました。
1943年：西安空港が拡張され、総面積が約20万平方メートルとなりました。これにより、収容能力が向上しました。
1945年8月：中央航空は上海-西安線、北平-西安線を開設し、戦後の輸送需要に対応しました。
1947年初：中央航空は上海-南京-鄭州-西安線、上海-南京-漢口-西安線を開設し、より多様な路線網が形成されました。
1948年5月28日：国民政府交通部民航局空運隊は南京-漢口-西安-蘭州-粛州（現酒泉）線、天津-北平-西安線の定期路線を開設しました。
1949年5月：人民解放軍が西安空港を接収し、長さ1,800m、幅50mの石の滑走路となりました。これにより、より耐久性のある滑走路となりました。
1966年8月：西安空港の拡張工事が始まり、さらなる機能強化が図られました。
1967年5月4日：拡張工事が完了し、長さ2,200m、幅45mの滑走路となりました。これにより、大型ジェット機の離着陸も可能となりました。
1984年：国務院と中央軍事委員会で、空軍の咸陽飛行場跡地に大型の民間空港を建設することが決定されました。これにより、西安の新しい空港建設が始まりました。
1987年8月：西安咸陽国際空港の第1期工事が着工しました。これにより、西安の航空輸送は新たな時代を迎えることとなりました。
1991年8月31日：西安西関空港は空港業務を終了し、閉鎖されました。その歴史に幕を閉じました。
1991年9月1日：空港業務を引き継いだ西安咸陽国際空港が開港しました。これにより、西安の新たな空の玄関口が誕生しました。

関連項目

中国人民解放軍

外部リンク

* 西安有個老飛機場（簡体字中国語）

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