西田 (鹿児島市)

鹿児島市西田：歴史と現代が交錯する地

鹿児島市西田は、鹿児島市の中央部に位置する町丁で、かつては鹿児島城下の重要な一部でした。旧薩摩街道が通り、参勤交代の要路として栄え、西田橋は鹿児島城の玄関口としての役割を担っていました。

地理

西田は甲突川下流域の右岸に位置し、北は鷹師・薬師、南は武、東は中央町・西千石町・平之町・加治屋町、西は常盤と接しています。町域の北部を東西に西田本通り（旧薩摩街道）、東部を南北に鹿児島県道24号（黄金通り）が走り、交通の要所となっています。鹿児島中央駅が南東端に位置し、町域の東側には鹿児島本線が通っています。商業施設は鹿児島中央駅周辺に集中しており、黄金通りやゾウさんのはな通りが主な商店街として知られています。

地名の由来

「西田」という地名は、鹿児島城下の西側に広がる田園地帯に由来します。

河川

町域の西側を甲突川が流れています。

地価

西田の住宅地は、鹿児島市内で最も地価が高い地域の一つです。2024年3月26日の公示[[地価]]では、西田2丁目16-29の地点で26万4000円/m2となっています。

歴史

近世の西田三町

江戸時代、西田町は下町・上町と共に鹿児島城下を形成し、甲突川より西側の区域でした。西田町は上町・中町・下町（東ノ町・中ノ町・西ノ町）の三町で構成され、西田三町と呼ばれていました。薩摩街道は参勤交代の要路として栄え、西田町は交通の要衝でした。高山彦九郎も西田町を訪れ、その様子を記録しています。下級武士の居住地であり、中心部には消防の役割を果たす会所と火見櫓がありました。享保5年（1720年）には547人の人口が記録されています。天保年間には甲突川の改修工事が行われ、洪水対策のために西田町側が犠牲になったという記録も残っています。

西田橋

甲突川に架かる西田橋は、天保年間に板橋として描かれていますが、弘化3年（1847年）に石橋として架け替えられました。肥後の石工、岩永三五郎によって建設され、長さ27間2尺、幅4間1尺7寸の規模を誇りました。西田橋は鹿児島城の玄関口として特に重要視され、甲突川五石橋の一つとして知られています。

明治維新以降

島津重豪の時代には西田町に西田座が設けられ、歌舞伎が上演されていました。明治5年（1872年）には鹿児島県庁の直轄地となり、明治8年（1875年）には消防会所が置かれました。明治11年（1878年）には江戸時代の西田三町の区域が「東ノ町・中ノ町・西ノ町」として記録され、明治12年（1879年）に西田村の一部を編入し、西田町となりました。明治17年（1884年）には連合町村役場が置かれました。

市制施行以後

1889年の市制施行により、西田町は鹿児島市の一部となりました。1907年と1911年には豪雨による甲突川の氾濫で被害を受けました。1911年には大字西田の一部が西田町に編入されました。1953年には西田橋が鹿児島県指定の有形文化財に指定されました。

住居表示の実施と町域の変遷

1962年の住居表示に関する法律施行に伴い、西鹿児島駅前一帯で町界町名の変更が実施され、1970年に西田一丁目が設置されました。1975年には西田二丁目、西田三丁目が設置され、1980年の町域再編により西田町は消滅しました。

西田橋の移設

1993年の豪雨により甲突川が氾濫し、西田橋を含む甲突川五石橋の一部が被害を受けました。西田橋は移設されることになり、1996年に解体され、浜町の石橋記念公園に移設復元されました。

町域の変遷

かつての西田町は、現在の西田一丁目から三丁目の地域にあたります。

人口

1995年以降の国勢調査によると、西田の人口は変動しており、2020年4月1日時点では5,252人、3,149世帯が住んでいます。

施設

公共

鹿児島市営黒田踏切自転車等駐車場
西田公園
笑岳寺公園

教育

北九州予備校鹿児島校

郵便局

鹿児島西田郵便局

寺社

西本願寺鹿児島別院西田出張所

教育（小・中学校の学区）

市立小・中学校に通う場合、学区は以下の通りとなります。

交通

道路

主要地方道：鹿児島県道24号鹿児島東市来線

鉄道

九州旅客鉄道鹿児島本線（最寄り駅：鹿児島中央駅）

路線バス

南[[国交通]]が運行するバス路線が利用できます。
(N32)清水・常盤線
(N39)武岡・鴨池港線
(N46-2)明和線

著名な関係者

出身

篠崎五郎（官僚、新潟県知事・島根県知事・愛媛県知事）
大山綱昌（官僚、貴族院議員、佐賀県知事・山梨県知事・長野県知事・岡山県知事）
山口武彦（実業家、日本酸素・日本精工創設者）

居住

大山後角右衛門（剣術家）

西田は、歴史的な背景を持ちながら、現代の商業中心地としての顔も持つ魅力的な地域です。

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