警察野球団

警察野球団（キョンチャル・ヤグダン）

警察野球団は、かつて韓国野球委員会（KBOリーグ）の2軍リーグであるフューチャーズリーグに参加していた野球チームです。兵役義務がある韓国人選手が、兵役期間中も野球を続けられるように設立されました。

概要・歴史

警察野球団は、京畿道高陽市徳陽区にある警察野球団球場を本拠地としていました。韓国では、すべての青年が兵役の義務を負います。KBOリーグに所属する選手も例外ではなく、兵役期間中は選手活動を中断しなければなりませんでした。しかし、国軍体育部隊（尚武）でプレーすることで、兵役期間中でも野球を続ける道が開かれていました。

2004年に兵役不正免除問題が発覚したことを受け、その改善策の一環として、2006年に韓国警察庁が野球部を結成しました。これにより、兵役に就きながらも野球の試合や練習に専念できる環境が整えられました。警察野球団は、フューチャーズリーグにのみ加盟し、若手選手の育成と兵役中の選手の競技力維持に貢献しました。

しかし、兵役制度の改変に伴い、警察野球団は2019年に解散することが決定しました。2018年限りで新規選手の募集を停止し、2019年は選手数が大幅に減少したため、フューチャーズリーグでは番外として順位をつけない形式で試合を行いました。そして、2019年7月上旬に全試合日程を終え、同年8月に正式に解散しました。

出身の現役選手

警察野球団からは、数多くのプロ野球選手が輩出されています。以下は、警察野球団に所属していた主な現役選手です（所属は当時）。

1期生（2006 - 2007）：崔炯宇（無所属）
2期生（2008 - 2009）：梁義智（斗山）、元鐘玄（LG）、林昶暋（ネクセン）
3期生（2010 - 2011）：許敬民、崔在勳（以上斗山）、禹奎珉（LG）
4期生（2011 - 2012）：朴健祐（斗山）
5期生（2012 - 2013）：李玎燦（LG）、呉太坤、張成宇（以上ロッテ）
6期生（2013 - 2014）：該当者なし
7期生（2014 - 2015）：金仁泰（斗山）、姜勝淏、任燦圭（以上LG）、姜眞成、李炯範、張現植（以上NC）、韓承澤（ハンファ）
8期生（2015 - 2016）：安致弘（起亜）、辛本基、田峻玗（以上ロッテ）
9期生（2016 - 2017）：張勝賢（斗山）、金兌勳、李相旼（以上ネクセン）、尹大瑛、金在成（以上LG）、朴正洙（起亜）、洪廷玗（三星)、李寅福（ロッテ）
10期生（2017 - 2018）：鄭秀彬（斗山）、林志列（ネクセン）、洪昌基（LG）、金泰珍（NC）、裴梃旲（KT）、朴峻杓（起亜）
11期生（2018 - 2019）：徐藝日（斗山）、金振虎、金泰君、金太現（以上NC）、金昊寧、李鎭英（以上起亜）、李聖圭（三星）、金旻洙（ロッテ）

まとめ

警察野球団は、短い活動期間ではありましたが、韓国野球界に多くの貢献をしました。兵役中の選手にプレーの機会を提供し、若手選手の育成にも尽力しました。その功績は、多くのプロ野球選手を輩出したことからも明らかです。

参考資料

警察庁野球団の1年目（スポーツライター・室井昌也『ソウルはいつも野球愛（2006年9月24日）2013年5月31日閲覧）

関連項目

* 牙山ムグンファFC：Kリーグチャレンジ（韓国プロサッカー2部リーグに相当）に2013年から2019年まで加盟していたサッカーチーム。母体は警察サッカー団。

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