永山忠則

永山忠則について

永山忠則は、1897年10月14日に生まれ、1984年6月13日に惜しまれつつ世を去った昭和期の政治家です。彼は自治大臣や国家公安委員会委員長などの重要な役職を任され、その業績は広島県の政治のみならず、全国的にも評価されています。

出身地は広島県比婆郡敷信村（現在の庄原市）であり、地域の発展に貢献した数少ない政治家の一人です。永山は、広島県立広島中学校（現・広島県立国泰寺高校）を卒業した後に中央大学法学部予科を修了し、1924年からは女子師範学校で教師としてのキャリアをスタートさせました。彼は1926年にわずか29歳で敷信村の村長に就任し、合計八期を務めました。その後、広島県議会議員に就任し、1936年には昭和会公認で衆議院議員に当選します。

彼の政治キャリアの中で、特に際立ったのは1938年に実施された国民健康保険法の法案策定に関与したことです。1940年には厚生参与官に就任し、国民の健康促進に向けた施策に取り組みました。また、1964年には自治大臣として地方交付税交付金の引き上げを実現させるなど、地方自治の強化にも貢献しました。

戦時中は複数の政治団体に参加し、自らの信念を貫きながら活動を続けました。特に、岸信介を中心とした護国同志会の結成に関わり、翼賛政治会の弱体化に寄与しました。しかし、戦後は連合国による公職追放を受け、一般職に従事する時期を余儀なくされました。この困難を乗り越えた彼は、1954年に庄原市の初代市長に選出され、政治の舞台に復帰します。

その後、1955年の衆議院選挙に成功し、1972年まで10回の当選を果たします。この期間中、自由民主党に所属し、防衛政務次官や社会労働・内閣両委員長を歴任し、国民健康保険中央会の会長としても活動しました。彼は武見太郎とも親交が深く、国民健康保険法の第一人者とも称されました。

永山はまた、自動車損害賠償保障法の制定にも深く関わり、身体障害者雇用促進法及び原爆医療法の改正に力を注ぎました。軍人恩給問題にも熱心に取り組み、代表を務めた軍恩議員協議会では恩給改善に尽力しました。興味深いことに、政治の世界では彼は“タカ派の闘将”として名を馳せ、強硬なスタンスが際立っていました。そのため、入閣が遅れた要因として、彼の性格や信念が挙げられることもありました。

1969年には勲一等旭日大綬章を受賞し、その名声は高まります。1976年に政界を引退し、その後の広島県北部の政治家たちに多大な影響を与えました。特に、亀井静香が政治家としてのキャリアをスタートさせた背景には、永山の存在が大きな影響を及ぼしています。

永山の生涯は、政治家としての使命感と地域への深い愛情をもって、多くの功績を残しました。彼の遺産は、今もなお広島県内外の政治において重要な意味を持ち続けています。

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