豊登道春

豊登道春の生涯と功績

豊登道春（とよのぼり みちはる）は、1931年3月21日に福岡県田川郡金田町で生まれ、1998年7月1日に亡くなった著名な相撲力士及びプロレスラーです。本名は定野道春（さだの みちはる）で、彼は立浪部屋に所属し、相撲界に足を踏み入れました。最終的には東前頭15枚目の地位を持ち、力士としてのキャリアをスタートさせました。

幼少期と初期のキャリア

1945年、豊登は日本製鐵の海員養成所に入所し、三等機関士の資格を取得しました。彼の青春は太平洋戦争の影響を受け、それが彼のキャリアに大いに関わっていました。戦後、八幡製鉄所で機関員として働き始めましたが、相撲への道を選ぶことになります。

力士としての道

1947年、豊登は立浪部屋に入門し、6月場所で「定野」という名で初土俵を踏みました。後に「金田山」、さらに「豊登」と改名し、力士として成長していきます。1950年には十両に昇進するも、精彩を欠いた試合が続き、しばしば幕下と十両を行ったり来たりする厳しい時期を過ごしました。1953年には十両優勝を果たし、1954年には幕内昇進も経験しましたが、親方との不仲から引退を余儀なくされました。

プロレス転身

力士としての道を閉じた後、豊登は1954年に日本プロレスに入団します。初めての試合は千葉県茂原市で行われ、彼は早速その存在感を示しました。プロレス界では、力道山のタッグパートナーとして特に注目を集め、数多くのタイトルを獲得しました。特に1960年には力道山とペアを組み、アジアタッグ王者になりました。また、1964年にはWWA世界ヘビー級王座を奪取しますが、王座の混乱もあり、最終的には無効とされる事態に陥りました。

成功と困難

豊登は日本プロレスの社長に就任するなど、エースとして活躍しましたが、ギャンブル好きが原因で数々の財政問題に直面します。その中で、1966年にはアントニオ猪木を引き抜き、東京プロレスを立ち上げますが、信頼関係の悪化から短期間で消滅します。

その後も国際プロレスや新日本プロレスで活躍し、1973年には勇退を果たします。彼の現役最後の試合は横浜で行われ、長いレスラー人生に幕を下ろしました。

引退後と晩年

引退後の豊登は、しばらくプロレスの世界から遠ざかりますが、1989年に引退セレモニーに登場して公の場に顔を見せました。しかし、その後は健康問題に悩まされ、1998年に心筋梗塞で亡くなりました。彼の葬儀は近親者のみで行われ、彼の訃報は約2か月半後に報道されました。

豊登道春の伝説

豊登は、数々の逸話を生んだ人物でもあります。競輪や競馬に熱中し、常に新しい挑戦を求める彼の姿勢は、後輩たちに多大な影響を与えました。量に関しての彼の異常なほどの食欲やギャンブル嗜好は、周囲を驚かせました。また、彼の持ちギャグやパフォーマンスも多くの資料で語られています。

豊登道春は、その強さと人間味あふれるエピソードから、今でも多くの人々から愛され続けています。彼の功績は、相撲界だけでなくプロレス界においても広く認知され、後のレスラーたちに影響を与えています。

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