買ッテ来ルゾト勇マシク

『買ッテ来ルゾト勇マシク』：昭和レトロゲーム番組の全貌

1973年6月3日から9月30日にかけて、日本テレビ系列で放送された『買ッテ来ルゾト勇マシク』。軍歌「露営の歌」の替え歌をテーマソングに用いた、当時としては斬新なゲームバラエティ番組でした。全16回、毎週日曜日のゴールデンタイムに放送され、多くの視聴者を魅了しました。

50万円ピッタリが勝負！スリリングな買い物ゲーム

番組の最大の特徴は、なんといってもそのルール。芸能人と一般視聴者（番組後期は芸能人同士）がペアになり、50万円ぴったり分の買い物を目指すという、ハラハラドキドキのゲーム形式でした。50万円に満たない、もしくは超えてしまうと、商品は獲得できません。きっかり50万円分、という厳格なルールが、視聴者の緊張感を高めたのです。

豪華司会陣と多彩なゲスト

司会を務めたのは、国民的歌手として人気絶頂だった坂本九さんと、当時妊娠中だった柏木由紀子さん。柏木さんは番組終了後間もなく長女を出産されました。番組後期は坂本九さんが単独で司会進行を務めました。

ゲストも、酒井和歌子さん、由美かおるさん、ケーシー高峰さん、野口五郎さん、谷啓さん、小山ルミさん、桂三枝（現・六代目桂文枝）さんなど、そうそうたる顔ぶれ。その他にも、小柳ルミ子さん、なべおさみさん、小野ヤスシさん、加山雄三さん、初代林家三平さん、ハナ肇さん、正司敏江・玲児さん、うつみみどり（現・宮土理）さん、コメディNo.1、ストレートコンビ、桂菊丸・泉アキ夫妻、坂上二郎さん、鈴木ヒロミツさん、せんだみつおさん、岸ユキさん、川口浩・野添ひとみ夫妻、黒澤久雄さん、一谷伸江さん、牧村三枝子さん、コント0番地、天地総子さん、牧伸二さん、レツゴー三匹、毒蝮三太夫さん、かしまし娘、田辺一鶴さん、海原お浜・小浜、西口久美子、水森亜土さん、福地泡介さん、芦屋雁之助・小雁さん、長門裕之・南田洋子夫妻など、多くの芸能人が出演し、番組を盛り上げました。

買い物コーナーとキャッシュコーナー：2つのステージ

番組は大きく分けて「買い物コーナー」と「キャッシュコーナー」の2つのコーナーで構成されていました。

買い物コーナーは、ベルトコンベアーで流れてくる商品の中から、制限時間内に商品を選択するコーナーです。コーナーは3つあり、家庭用品、予想が難しい高額商品（便器や墓石など）、お宝グッズ（著名人が使用した品物、後期は高級品）といったバラエティに富んだラインナップでした。45万円を超えると、ラッパが鳴って参加者に合図が送られました。

キャッシュコーナーは、これまでの買い物額を予想し、制限時間20秒以内にキャッシュケースから現金を取り、50万円ピッタリを目指す調整コーナーでした。視聴者と観客だけが実際の獲得金額を知ることができ、彼らの反応も参加者にとって貴重な情報源となりました。

50万円ピッタリで「ピタリ賞」！

50万円ピッタリの場合「ピタリ賞」としてくす玉が割れ、大量の紙吹雪が舞う演出も番組の見どころの一つでした。50万円にわずかに届かなかった場合は「スレスレ賞」として、全商品から5万円分（後期は1商品）を獲得できましたが、それ以外は獲得できませんでした。

放送休止とネット局

プロ野球オールスターゲーム中継や急遽編成された特別番組のため、2回放送が休止されました。番組は全国の日本テレビ系列局で放送されましたが、一部クロスネット局も含まれていました。

『買ッテ来ルゾト勇マシク』は、独特のルールと豪華な出演陣、そして昭和レトロな雰囲気で、多くの視聴者に愛された番組でした。今となっては貴重な映像として、その面白さや緊張感が、現代の視聴者にも新鮮に映るのではないでしょうか。

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