趙盤

趙盤（ちょう ばん、生没年不詳）は、五胡十六国時代の前燕に仕えた人物であり、都尉という役職にありました。

生涯

趙盤は、前燕において重要な役割を担いました。彼の足跡を以下に詳述します。

338年1月、燕王慕容皝の使者として後趙に派遣され、段部討伐の時期について協議しました。この外交使節としての活動は、前燕の対外政策における彼の重要性を示しています。同年3月には、棘城へ帰還しました。

356年8月、趙盤は王騰とともに琅邪・鄄城を攻撃し、東晋の北境を騒がせました。この軍事行動は、前燕の領土拡大政策の一環であり、趙盤はその先鋒を務めたと言えます。しかし、東晋の徐州刺史荀羨の討伐を受け、王騰は討ち死にし、趙盤は逃走しました。この敗北は、彼のキャリアにおける挫折となりました。

その後、南中郎将に任じられました。これは、彼の軍事的な能力が依然として高く評価されていたことを示しています。

366年12月、東晋の南陽督護趙億が前燕に降伏し、宛城に拠って南陽郡太守桓澹を新野へ追放しました。趙盤は魯陽から宛城へ移り、守将となりました。この配置換えは、彼に対する信頼の表れであると同時に、宛城の重要性を示唆しています。

367年6月、東晋の右将軍桓豁・竟陵郡太守羅崇が宛城を攻撃しました。趙盤は宛城を防衛しましたが、最終的には失陥し、趙億とともに魯陽へ敗走しました。桓豁の追撃を受け、雉城で戦いましたが、敗れて捕らえられました。その後、建康へ送られました。この敗北は、彼の軍事的なキャリアに終止符を打つことになりました。

これ以後の趙盤の事績は、史書に記録されていません。彼の晩年については不明ですが、前燕のために尽力した人物として、歴史に名を残しています。

参考文献

『晋書』巻8、巻75、巻111、巻112
『資治通鑑』巻96、巻101
* 『十六国春秋』巻24、巻28

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