路氏

路氏についての詳細

路氏（みちうじ）は、日本の古代に存在した氏族であり、その名は「路」に由来しています。路氏の祖先は、敏達天皇の皇子である難波皇子とされています。この系譜は、古代の日本における皇族の一部を形成しており、姓は初め「公」であり、後に「真人」と改められました。

系譜と歴史的背景

『新撰姓氏録』の「左京皇別」部分において、路真人は「出自諡敏達皇子難波王之後也」と記載されており、守山真人、甘南備真人、飛多真人、英多真人、大宅真人と同じ祖先を持つとされています。難波皇子の記録は『古事記』や『日本書紀』に見られ、彼は敏達天皇と春日臣仲君の娘である春日老女子との間に生まれました。この記録によると、難波皇子は和邇氏の血を引く人物であることがわかります。

さらに、『七大寺巡礼私記』には、大宅寺が難波皇子に由来する「難波皇子寺」と呼ばれることが記されています。これは、彼がこの寺を建立したという伝承を支持するものです。

姓の変遷

路氏の姓は当初「公」でありましたが、天武天皇の時代である684年10月1日には、「守山公」と共に「真人」を賜姓されています。このことにより、路氏の地位が強化されたと考えられています。本貫については明確な記録が存在しないものの、749年の「造東大寺司解」の記録にて、路足麻呂という名の人物が大倭国添上郡の出身であることが示唆されています。添上郡は現在の奈良県の一部に該当します。

路氏の著名な人物

路氏には、歴史的に多くの重要な人物が存在しました。たとえば、路登美は天武天皇14年に南海道巡察使を務め、後に饗新羅客使や春宮大夫などの要職を歴任しました。また、路大人は文武天皇3年に弓削皇子の喪事を監護し、その後も重要な役割を果たしました。さらに、道鏡の師匠である路豊永は、和気清麻呂に対して意見を示したことで注目されました。

渡来氏族との関係

路氏には、東漢氏系の渡来氏族も支配していることが確認されています。『日本書紀』や『続紀』の記載から、直→連→忌寸→宿禰というように改姓が行われたことがわかります。特に「路宿禰」については、『新撰姓氏録』の「右京諸蕃」に記録があり、坂上大宿禰と同祖であるとされます。この系譜には、壬申の乱に参加し、その功績によって名を馳せた路益人も含まれています。

まとめ

路氏は、日本の古代において重要な役割を果たし、さまざまな歴史的事件に関与した氏族です。彼らの系譜や文化的背景は、たくさんの歴史的文献を通じて明らかにされており、日本の古代史を理解する上で欠かせない存在となっています。

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