軍臣単于

軍臣単于（ぐんしんぜんう）

軍臣単于は、紀元前161年から紀元前127年まで匈奴を統治した単于です。父は匈奴の全盛期を築いた老上単于で、その跡を継ぎました。

生涯

即位と漢との関係

紀元前161年、父である老上単于の死後、軍臣単于として即位しました。当初、漢の文帝は匈奴との友好条約を締結し、中行説も引き続き軍臣単于に仕えました。

漢との対立

しかし、紀元前158年に匈奴は漢との友好条約を破り、上郡や雲中郡に侵入しました。これに対し、漢が国境警備を強化したため、匈奴は長城から遠ざかりました。

文帝の崩御後、景帝の時代になると、趙王の劉遂が匈奴に漢への侵入を依頼しましたが、趙が漢によって倒されたため、侵入は実現しませんでした。その後、漢は再び匈奴と友好関係を結び、交易を許可し、漢の公主を娶らせました。

馬邑の戦い

武帝の時代になっても匈奴と漢の友好関係は続きましたが、紀元前133年の馬邑の戦いをきっかけに、両者の関係は悪化します。漢の将軍である王恢の計略により、聶壱が軍臣単于を騙し討ちにする計画が発覚し、軍臣単于は計画を察知して撤退しました。これにより、匈奴は漢との友好関係を断絶し、再び対立の時代を迎えます。

漢との戦い

馬邑の戦いから5年後の紀元前129年、漢は衛青、公孫賀、公孫敖、李広の4将軍を匈奴へ派兵しましたが、目立った成果は得られませんでした。紀元前128年には、匈奴が漢の領内に侵入し、遼西太守を殺害し、多くの住民を連れ去りました。その後も匈奴は雁門に侵入しましたが、漢軍に撃退されました。

紀元前127年、衛青はオルドスに割拠する楼煩と白羊王を撃退し、河南の地を匈奴から奪還しました。これにより漢は、朔方に長城を築き、防備を固めました。

死去

紀元前127年に軍臣単于は死去し、弟の伊稚斜が単于の位を継承しました。

子

於単

参考資料

『史記』（匈奴列伝）

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