通信技術の年表

この年表は、人類が情報を伝達・共有するために用いてきた通信技術の歴史をまとめたものです。古代から現代に至るまでの技術革新を概観し、各分野の詳細については、それぞれの項目を参照してください。

紀元前19世紀頃: 古代エジプトで、現在知られている最古の暗号が使用されました（→暗号史）。
紀元前6-4世紀頃: 古代ペルシアで、街道（王の道）と駅伝制が整備され、情報伝達の効率化が図られました。
2世紀初頭: 中国で実用的な製紙法が発明され、情報の運搬が容易になりました（→紙、蔡倫）。
その他: 狼煙（のろし）や飛脚による親書通信が行われ、遠隔地への情報伝達手段として活用されました。また、望遠鏡の発明は視覚通信に応用され、文字コード伝達を可能にしました。

1800年代

1832年: シリングが電信機を発明し、電気を用いた通信技術の基礎が築かれました。
1837年: モールスがモールス符号を考案し、電信の実用化に大きく貢献しました。
1850年: イギリスとフランス間で海底ケーブルを用いた電信サービスが開始され、国際的な通信が可能になりました。
1870年: 日本で、東京・横浜間で電信（電報）サービスが開始され、近代的な通信網が整備されました。
1875年: アレクサンダー・グラハム・ベルが電話機を発明し、音声によるリアルタイム通信が可能になりました。エジソンとの間で特許競争が行われたことも有名です。
1895年: マルコーニが無線電信機を発明し、電波を用いた無線通信の時代が開かれました。1897年に会社を設立し、無線電信を商用化しました。

1900年代

1902年: レジナルド・A・フェセンデンが無線電話の実験に成功し、無線での音声通信の可能性を示しました。
1905年: 日本海海戦で無線通信が使用され、商船からの通報が戦局を有利に導きました。
1906年: ドイツ人コルンとフランス人ベランがほぼ同時に写真電送（ファクシミリ）に成功し、遠隔地への画像伝送が可能になりました。
1920年: フランク・コンラッドが世界初の商用ラジオ局KDKAを開設し、ラジオ放送が始まりました。
1925年: 東京放送局（JOAK）が開設され、日本で初めてのラジオ局が誕生しました。
1928年: 日本電気の丹羽保次郎と小林正次がNE式写真電送機を開発し、日本におけるファクシミリの実用化に貢献しました。
1930年代: アメリカやヨーロッパでテレビ放送が始まり、映像による情報伝達が可能になりました。
1940年代: 情報理論の基礎が確立され、デジタル通信の基盤となる科学が誕生しました。
1953年: 日本でテレビ放送の本放送が開始され、テレビが国民的な娯楽となりました。
1956年: 日本で太平洋横断ケーブルを用いた電信サービスが開始され、国際通信がさらに円滑になりました。
1963年: 日米間の衛星中継が成功し、ケネディ大統領暗殺のニュースが報道されました。
1960年代: 日本でカラーテレビ放送が始まり、徐々にカラー番組が増え、1970年代には完全カラー化されました。
1968年: 日本でポケットベルサービスが開始され、個人間の無線通信が可能になりました。
1970年代後半: 300bpsの音響カプラが登場し、パソコン[[通信]]が普及し始めました。
1979年: 日本で首都圏で自動車[[電話]]サービスが始まり、セルラー方式のアナログ携帯[[電話]]が使われるようになりました。後に軽量化され携帯[[電話]]へと進化しました。
1980年: G3ファクシミリの規格が定まり、アナログモデムを用いたデジタル画像通信が可能になりました。
1980年代: 世界的に通信自由化の流れが起こり、通信事業の競争が促進されました。
1983年: イーサネットがIEEE 802.3 CSMA/CDとして標準化され、LAN環境が整備されました。
1985年: 日本で通信自由化が行われ、電電公社がNTTに民営化されました。これにより、パソコン[[通信]]サービスやインターネットの電子メール交換が始まりました。
1980年代後半: 1200bps～2400bpsの電話モデムが登場し、パソコン[[通信]]の速度が向上しました。
1988年: 日本でISDNサービスが開始され、デジタル通信サービスが普及しました。
1989年: 日本で衛星放送の本放送が開始され、多チャンネルのテレビ番組が楽しめるようになりました。
1989年: インターネットの商用利用が解禁され、インターネットサービスプロバイダが登場しました。WWWも登場し、インターネットが世界的に普及し始めました。
1990年代前半: 9600bps～14400bpsの電話モデムが登場し、インターネット接続の高速化が進みました。
1990年代後半: 世界的にデジタル携帯[[電話]]が普及し、モバイル通信が日常生活に浸透しました。
1995年: ヨーロッパでDAB方式によるデジタル[[ラジオ]]放送が開始され、音質の良いラジオ放送が楽しめるようになりました。
1999年: AppleがAirMacを発表し、IEEE 802.11を用いた無線LAN機器が普及し始め、家庭やオフィスでの無線インターネット環境が整備されました。

2000年代

2000年12月1日: 日本でBSデジタル衛星放送が開始され、高画質のテレビ放送が視聴できるようになりました。
2001年: 日本でブロードバンド元年を迎え、Yahoo!BBがADSL方式によるブロードバンドインターネットの価格破壊を起こし、高速なインターネットが家庭にも急速に普及しました。
2000年代前半: 世界でインターネットラジオ放送局が出現し始めました。
2003年10月10日: 日本で地上デジタル音声[[放送]]の実用化試験が始まりました。
2003年12月1日: 日本で地上デジタルテレビジョン放送が大都市圏で始まり、高画質のデジタル放送が普及しました。
2000年代半ば: 中国で携帯[[電話]]が爆発的に普及し、モバイル通信が社会インフラとして定着しました。
2005年2月: YouTubeが開設され、インターネットを用いた動画配信サービスが相次いで登場しました。
2006年: 世界の携帯[[電話]]の出荷台数が年間10億台に達し、世界人口の約1/6から1/7が携帯[[電話]]を所有するようになりました。
2006年4月: 日本でワンセグメント放送の本放送が開始され、携帯端末でテレビ番組を視聴できるようになりました。
2016年: 中国科学技術大学が人工衛星と地上間の量子通信に成功し、高度な暗号通信の可能性を示しました。
2010年代後半: ビッグ・テックと呼ばれる巨大IT企業の存在感がますます大きくなりました。

詳細年表

歴史説明をもつ項目については、以下の項目を参照してください。

郵便
電話、電話機
ファクシミリ
携帯[[電話]]
テレビ
ラジオ
インターネット
暗号史

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