金井町 (町田市)

東京都町田市に属する金井町（かないまち）は、現在、丁番を持たない単独の町名として存在しています。郵便番号は195-0071が割り当てられています。

地理的には町田市のほぼ中央に位置しており、北は野津田町、東は薬師台や金井、藤の台に接しています。南は藤の台、西は本町田と隣接しています。歴史的な背景として、かつてはより広い地域を占めていましたが、その後に薬師台、金井、藤の台、金井ヶ丘といった新たな町名が分立したため、現在の金井町が占める面積はかなり狭くなっています。おおむね、主要な交通路である鎌倉街道の西側一帯と、町田えびね苑東側の傾斜地にごくわずかな区域を残すのみとなっています。

この地域の歴史は古く、中世には武蔵国多摩郡小山田庄の木曽郷の一部でした。戦国時代の永禄2年（1559年）には、一つの金井村が金井村と木倉村の二つに分割されるという出来事がありましたが、天正18年（1590年）には再び元の金井村へと統合されました。近世に入ると、慶長10年（1605年）には旗本の福井清右衛門久国の知行地となり、その後宝永2年（1705年）には一時的に幕府の直轄地となりました。享保14年（1729年）には再び旗本の神谷志摩守久敬の知行地となり、天保14年（1843年）には村騒動を経て一時的に支配者が変わるも、 ultimately 神谷氏の支配に戻っています。

明治維新後、慶応4年／明治元年（1868年）には武蔵県知事の管轄となり、その後東京府に編入されました。しかし、まもなく多摩地域が横浜に居住する外国人の遊歩区域とされたことから、神奈川県に移管されるという複雑な経緯をたどりました。明治4年（1871年）には区制のもと第三一区となり、明治6年（1873年）には区番組制で第八区二番組、明治7年（1874年）には大区小区制で第八大区三小区に区分されました。明治11年（1878年）に郡区町村制が施行されると、神奈川県南多摩郡金井村となりました。明治17年（1884年）には連合戸長役場制のもと、原町田村を中心とした5ヶ村連合の一員となります。明治22年（1889年）の町村制施行時には、近隣の村と合併して南多摩郡鶴川村の一部となり、大字金井と呼ばれました。明治26年（1893年）には、西多摩、南多摩、北多摩の三郡が東京府に移管されたことにより、東京府南多摩郡鶴川村大字金井となりました。昭和18年（1943年）には東京都制施行により、東京都南多摩郡鶴川村大字金井となります。

戦後、昭和33年（1958年）に町田町、鶴川村、忠生村、堺村が合併し市制施行した際に、町田市金井町としてその名が引き継がれました。その後、高度経済成長期を経て開発が進み、金井町の区域は大きく再編されていきます。昭和42年（1967年）には、金井町の一部などが玉川学園一〜八丁目に、昭和61年（1986年）には金井町と野津田町の一部から薬師台一〜三丁目がそれぞれ分立・新設されました。さらに、平成2年（1990年）以降、集中的に住居表示が実施され、平成2年（1990年）7月に金井一丁目、平成3年（1991年）10月に金井二丁目、平成6年（1994年）1月に金井三丁目、同年7月には金井四〜八丁目が相次いで新設されました。平成6年（1994年）には一部が薬師台三丁目に編入されています。そして比較的新しい動きとして、令和2年（2020年）7月には、金井町、大蔵町、玉川学園、本町田の各一部から、金井ヶ丘一〜五丁目および藤の台一〜三丁目が新たに誕生し、金井町の範囲はさらに狭まりました。

明治から昭和初期にかけては、農業の中でも特に養蚕が主要な現金収入源として盛んに行われていました。しかし、第二次世界大戦中に食料増産のため桑畑が芋畑に転換されたことがきっかけで、養蚕は衰退しました。大正時代には、養蚕に次ぐ重要な収入源として柿の栽培が盛んになり、特に甘柿の品種である「禅寺丸」が各地へ出荷されていました。

地名の「金井」の由来については、残念ながら詳しいことは分かっていません。

交通網としては、神奈川中央交通の路線バスが運行しており、「薬師池」バス停留所からは町田駅行きや鶴川駅行きの便を利用できます。主要道路としては、東京都道18号府中町田線、通称「鎌倉街道」が町域の近くを通っているほか、「団地いちょう通り」も利用されています。

世帯数や人口、小中学校の学区に関する情報も存在しますが、具体的な数値や学校名については変動があるためここでは割愛します。

金井町は、古くからの歴史と農耕文化を持ちつつ、近年の急速な都市化と住居表示の実施によってその姿を大きく変えてきた地域と言えます。

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