鈴木敏郎 (外交官)

鈴木敏郎氏の外交キャリア

鈴木敏郎氏は、1954年5月15日生まれの日本の外交官です。東京都出身で、栄光学園高等学校、東京大学法学部を卒業後、1977年に外務省に入省しました。アラビア語研修を受けたアラビストであり、中東地域に関する深い知識と経験を有しています。

初期のキャリア

外務省入省後、鈴木氏は経済局開発途上地域課長や中近東アフリカ局中近東第一課長などを歴任し、1998年には在アメリカ合衆国日本国大使館参事官としてワシントンD.C.に赴任しました。2000年には外務大臣官房在外公館課長に就任し、在外公館の運営に携わりました。

外務省プール金問題とイラク大使

2001年、鈴木氏は外務省大臣官房会計課長に就任しましたが、外務省プール金問題に関連し、厳重訓戒処分を受けました。しかし、その後も外交官としてのキャリアを続け、2004年には中東アフリカ局参事官からイラク兼ヨルダン公使・駐イラク臨時代理大使に就任し、同年9月には13年ぶりとなるイラク駐箚特命全権大使としてバグダッドに赴任しました。イラクでは、戦後の復興支援に尽力しました。2006年3月にイラク大使を離任後、内閣官房内閣審議官に就任しました。

中東アフリカ局長とシリア大使

2008年には外務省中東アフリカ局長に就任し、中東・アフリカ地域の外交政策を統括しました。2010年8月にはシリア国駐箚特命全権大使としてダマスカスに着任しましたが、2012年6月、シリア政府による反体制派への弾圧に抗議し、日本政府が駐日シリア大使に国外退去を要求したことを受け、シリア政府からペルソナ・ノン・グラータ（好ましからざる人物）に指定され、解任されました。同日、査察担当、中東・北アフリカ諸国情勢担当大使に就任し、同年10月には外務省研修所長となりました。

エジプト大使とデンマーク大使

2013年2月から2014年7月までエジプト駐箚特命全権大使を務め、その後、特命全権大使（国際貿易・経済担当）を経て、2016年10月よりデンマーク駐箚特命全権大使としてコペンハーゲンで活躍しています。

その他の活動

2020年4月からは、立命館大学文学部特別招聘教授も務め、後進の育成にも力を入れています。

入省同期

鈴木氏の入省同期には、秋元義孝氏（宮内庁式部官長、駐オーストラリア大使）、佐野利男氏（軍縮会議代表部大使、駐デンマーク大使）、梅本和義氏（駐スイス大使）、長崎輝章氏（駐バチカン大使）、太田清和氏（シアトル総領事）、佐藤悟氏（駐スペイン大使）、小寺次郎氏（駐サウジアラビア大使）、八木毅氏（駐印大使）、長嶺安政氏（外務審議官（経済）、駐オランダ大使）、深田博史氏（駐ベトナム大使）、川田司氏（駐アルジェリア大使）、角茂樹氏（駐バーレーン大使）、井上進氏（駐コートジボワール大使）、佐渡島志郎氏（駐バングラデシュ大使）、花田吉隆氏（駐東ティモール大使）、杉山晋輔氏（外務審議官（政務））、高原寿一氏（駐チュニジア大使）、手塚義雅氏（駐トリニダード・トバゴ大使）など、多くの著名な外交官がいます。

関連項目

外務省機密費流用事件では、当時の大臣官房会計課長として監査・調査にあたりました。

外部リンク

デンマークという国（北欧福祉国家の生き方）【スカンジナビアの国々】 - 2020年1月31日
鈴木大使からのメッセージ（在エジプト日本国大使館ホームページ内）

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