長崎地方気象台

長崎地方気象台の概要

長崎地方気象台は、長崎県長崎市南山手町に所在する地方気象台です。その歴史は古く、1878年に全国で4番目、九州で最初の測候所として「長崎測候所」が設立されたことに始まります。その後、1947年に「長崎海洋気象台」と改称されましたが、2013年の組織改編に伴い現在の「長崎地方気象台」となりました。

気象台は、長崎県内の気象観測、天気予報、気象情報の提供を通じて、地域住民の安全な生活を支える重要な役割を担っています。また、対馬海峡や九州西方などの海域における海上警報も担当しており、船舶の航行安全にも貢献しています。

長崎地方気象台の歴史

長崎地方気象台の前身である長崎測候所は、1878年7月1日に、国費によって長崎市に設置されました。これは日本初の地方測候所であり、「測候所」という名称が用いられたのも長崎測候所が最初でした。

当初、測候所は内務省地理局測量課に気象観測データを報告していましたが、1887年には長崎県に移管されました。その後、1894年には東京天文台からの時報を受信し、1895年には長崎市役所へ正午を知らせる信号旗を掲げるようになりました。さらに1903年からは、午砲を鳴らして正午を知らせる業務も始まりました。この午砲は、長崎市民に正確な時刻を知らせる重要な手段として利用されました。

1947年、長崎測候所は長崎海洋気象台へと改称し、南山手町にある旧長崎要塞司令部跡地に移転しました。この移転は、長崎市や長崎県選出の国会議員らの誘致運動によって実現しました。その後、長崎測候所は廃止され、業務は長崎海洋気象台に引き継がれました。

長崎海洋気象台は、2010年まで気象観測船「長風丸」を用いた海洋観測を行っていました。2013年には、組織改編により現在の長崎地方気象台となり、福岡管区気象台の管轄となりました。

長崎地方気象台の業務

長崎地方気象台は、長崎県内の以下の地域における天気予報を担当しています。

長崎県北部（平戸・松浦地区、佐世保・東彼地区）
長崎県南部（諫早・大村地区、長崎地区、島原半島、西彼杵半島）
長崎県五島（上五島、下五島）
長崎県壱岐・対馬（壱岐、上対馬、下対馬）

また、以下の海域における海上警報も担当しています。

対馬海峡（玄界灘、響灘）
九州西方
済州島西
長崎西
女島南西
日向灘
鹿児島海域
奄美海域
沖縄東方
東シナ海南部
沖縄南方

これらの海域における海上警報は、NHK福岡放送局と管内の放送局で放送されるローカル気象情報で伝えられています。

アクセス

長崎地方気象台へは、長崎バスの「浪の平」バス停が最寄りです。長崎駅方面からは、30番のバスに乗車し、バス停から上り坂を徒歩5～10分程度で到着します。

周辺施設

長崎地方気象台の周辺には、以下の施設があります。

旧長崎市立浪平小学校
南公民館
十八銀行南山手寮
グラバー園
大浦天主堂

外部リンク

* 長崎地方気象台

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